エンジニア派遣大手の「株式会社アルトナー」は東証1部に上場している、ものづくり業界・メーカー企業向けに特化した大手企業です。
このページをご覧になっているのは「転職エージェントからアルトナーの中途採用を勧められて迷っている方」や新卒で就活中の方が多いかと思います。
エンジニア派遣の大きな魅力は、正社員としては入社ハードルが高い一流企業で働くことができ、キャリアアップを実現できるという点にあります。
一方で、景気の悪化のようなリスクが、派遣エンジニアにどのような影響を及ぼすのかは理解して選ぶようにすべきでしょう。
例えば直近では「派遣先の即戦力志向」が大きく高まっていることが、派遣エンジニアとして働く上での一つの課題になっています。
なぜなら、職場でのリモートワークが中心となったことで、派遣先が派遣エンジニアにOJT指導を行うための負担が増加しているからです。
このため若年層の配属はペースダウンし、経験者にも「自力で確実に遂行できる業務」だけが与えられ、成長につながりにくい状況が生まれています。
- 感染症予防のためリモートワークが当たり前になった
- リモートワークのため、OJT教育をするのに手間がかかる
- 派遣エンジニアには教育不要で遂行できる業務だけを任せる方針に変化
- 貴重な教育工数は中途採用したプロパー社員に優先して使われる
- 新卒・若手の配属遅延や、スキルアップしづらい業務を担当せざるを得ない
このようにメリットとデメリットを比較した上で、慎重に転職先を考えるようにしましょう。
既にエンジニアとして転職を検討中であれば、先に注意してほしいことがあります。
それは、「CMやWeb広告でよく知られた大手転職エージェントに登録してはいけない」ということです。
某R社やD社など本当に知名度が高く信用できそうに思いますよね。しかし大手エージェントにサポート登録しても、エンジニアであるあなたの転職相談を担当してくれるのは、なぜか文系出身・エンジニア未経験のアドバイザーが大半なのです。
今あなたが担当している職務や悩みは、文系出身でエンジニアの仕事に詳しくない人に伝わるでしょうか?答えはNOです。
話し上手なアドバイザーにマッチしてるか分からない転職案件を紹介され、「こんなものか」と感じながら後に引けずに転職活動を進めてしまう、、、のがオチです。
ですので、今すぐ転職活動を始めるつもりなのであれば、エンジニアやメーカー転職を専門とするエージェントを選んでください。あるいは、大手エージェントの中でも”職種ごとにアドバイザーが分担されているエージェント”でも良いでしょう。
▼機電系エンジニア&製造業の転職に詳しいエージェント例
・メイテックネクスト
・タイズ
・JACリクルートメント
◆『メイテックネクスト』製造業・メーカーへの転職を専門
- 製造業・メーカー企業への転職サポートが専門
- 機械電気・組み込み分野の求人案件は特に強い。総合型エージェントが注力できていない中小規模のベンダーもカバーしている。
- 大手エージェントと比較して、親身で丁寧なアドバイザーが多い。求職者の転職活動ペースを尊重してくれる傾向。
アルトナーとはどんな会社?会社概要と特徴について。
株式会社アルトナーは、「エンジニア派遣」という事業を柱とする大手人材サービス企業の1社です。
派遣業界にも様々な業態、そして企業があり、その規模もピンキリです。
そのような中、アルトナーは「エンジニアをメーカーやIT企業に派遣する」というビジネスにおいて、社員数1,000名と中堅企業としての規模へ事業拡大を進めており、何より東証一部上場という実績を持っています。
派遣と言っても、エンジニア派遣の多くは「エンジニア社員が派遣元に正社員として雇用されている」形態となっています。
一般的に派遣というと「派遣会社に登録して一時的に派遣される」というイメージが強いと思いますが、アルトナーは全社員が正社員として雇用され、その上で取引先メーカーへ派遣されるという図式です。
アルトナーは中堅規模であると前述した通り、もっと大規模な派遣会社というのは多く存在します。
例えばテクノプロやアウトソーシングテクノロジー、フォーラムエンジニアリングといった派遣会社は数千人〜1万人以上という社員数がおり、対応している業界や技術分野も非常に幅広いという特徴があります。
アルトナーはその点で申し上げると、派遣先はメーカー企業に絞られており、対応する技術分野も「機械・電気・ソフト(組み込み)」の3分野に注力しています。
どちらかといえば成長業界は「製造業よりIT企業」であり、上記3社もIT業界へのインフラ・ソフト設計者の派遣を強めていますが、アルトナーはものづくりエンジニアのみにほぼ特化している点が特徴です。
アルトナーの派遣先・勤務地は”全国のメーカー企業”が中心。
このため転勤の可能性も、特に若いうちは生じるものと考えた方が良いでしょう。
上記のリストは、アルトナー公式サイトのIR情報に掲載されている「2020年時点の取引業会・企業一覧」と、「2020年時点の取引先上位10社」です。
2枚目のスライドを見ますと、上位2社は本田技術研究所とニコンの2社であるとわかります。
ということは、かなり多くの社員が「栃木県もしくは埼玉県」の勤務地へ派遣されることになりそうです。
また3位に住友電工、5位にパナソニックの2社があるということは、関西地方も勤務地になりやすそうだと分かります。
こちらの表はアルトナー公式サイトに掲載されている「売上高比率」を表した表です。
上位10社の売り上げ構成比が「47.7%」ですので、ざっくり言ってしまえば全社員の30%〜50%くらいは上記10社のどこかへ配属されそう。
6〜10位の取引先の多くも関西エリアと北関東エリアに事業所がありますので、やはりこの辺りが勤務地になりそうですね。
ですが、アルトナーとして全国でそれほど大きな料金差はないのではないかと思いますので、近しい値にはなるのではないかと推測します。
競合他社と比較すると、巨大な自動車企業群が形成されている愛知県始め東海エリアや、東京・神奈川と言った首都圏エリア、また東北エリアの取引が競合他社より少ないのが特徴です。
これらの勤務地に納得できるかどうかは、よく考えて入社を検討した方が良いでしょう。
アルトナー元社員の退職理由は?ブラックという評判は事実か?
地域希望が考慮される大手企業なのに、なぜアルトナーを辞めたいと考える人が多くいるのか?
それだけ社員数がいるのは選ばれてる証拠なのではないのか?
アルトナーの会社サイトでの説明を見ますと、入社時の研修体制やフォロー体制は比較的しっかりしている印象を受けるPR内容です。
今回、アルトナーを退職したいと考えたきっかけ・理由を、直近3年以内に転職した31人の元社員にWEBアンケートを行い、データを読み解いていきました。
アルトナーの元エンジニア社員の退職理由。転職を決意した3つのポイント。
実際にアルトナーを退職・転職した元社員61名を対象にWEBアンケートを実施したところ、アルトナーを退職したいと思った理由は以下の3つに集約されました。
- エンジニアとしてのキャリアアップを始めとしたサポートが一切ない。
- 給料がほとんど上がらず、一定のところで止まる。
- 景気が良くなってきて、メーカー企業の正社員採用で内定が貰えたから。
それぞれ細かく見ていきましょう。
なお、派遣エンジニアを辞め転職すべきか迷っているという方には「派遣エンジニアの辞め時は?タイミングと考え方、キャリアプランを解説。」のページで、現在のエンジニアの転職市場、派遣エンジニアをやみくもに続けてしまうことのデメリット、そしてやめ時について解説しています。
退職したい理由① エンジニアとしてのキャリアアップを始めとしたサポートがほぼない。
アルトナーを辞めたいと思う筆頭の理由として目立ったのが、
「研修期間が終わると自社(=アルトナー社)からのサポートや連絡がない。」
というものでした。
具体的に挙げていきますと、以下のような内容です。
- 配属先の地域希望は叶えてくれる。(現在取引がある派遣先の範囲内で)
- 派遣開始後は一切営業から連絡がなく、面談もない。
- キャリアアップやステップアップのことで話を持ちかけられることはない。
- 自社の他のエンジニア社員との関わりが一切ない。
- 自分の会社であるアルトナーのことをよく知らない。
あまり干渉があっても「派遣先と自社の業務の両立が辛い。」「自分のやりたいことと違うのに無理強いしてくる。」と言った不満が出ますが、
それにしてもこれほど干渉しない姿勢はポリシーのようなものを感じます。
この中で「辞めたい」と思われる部分としては「自分のキャリアアップができず不安」という点から来るようです。
エンジニアとして必要とされ続けるためには、当然のことながら技術面でレベルアップしていく必要があります。
年齢を重ねて40代になっているのに、ルーチンワークしかできないというようでは、派遣先の指揮命令者にも「指示が出しにくいおじさん」と思われ需要がなくなる日がきます。
それでも、派遣先の業務内容などはあまり選べず、営業マンを始め会社の人間が真剣にキャリアプランを考えてくれることがないということが原因のようです。
どのようなエンジニア派遣会社へ行っても、実際に営業と面談する機会というのは多くても月1回あるかないかと言ったところです。
しかし、自社内でのミーティングや連絡事項の共有会、勉強会といった自社との繋がりがあることが多いのですが、
アルトナーの場合は極端に少ない方針のようです。
辞めたい理由② 給料がなかなか上がらず、一定のところで止まる。
続いて、二つ目の理由として「給料が上がらない」というものが挙がりました。
中には「派遣中に時給が上がったはずなのに、営業からそのことを知らされなかった」というコメントもありました。
実際に私はあるエンジニア派遣会社で、エンジニア・営業・キャリアアドバイザーという3つの職種を経験しています。
双方の立場が分かるのでコメントしますと「どうしてもビジネスとして仕方ない時はある。」というのが本音です。
というのも辛辣なのですが、
「派遣元」と「エンジニア社員(正社員)」の関係は、雇用者とサラリーマンに過ぎません。
勿論、考慮はされるべきであり、会社は社員に対し、ちゃんとスキル・経験を身につけて活躍できるような配慮はすべきと思います。
一方で「自社に対し、自分が客かのように振舞っている」ようなコメントも少なからず見受けられまして、ちょっとそれは違うぞと思った次第です。
エンジニア派遣というのは、景気によっては「仕事がないから他地域行ってください」となる可能性が大いにあります。
辞めたい理由③ 景気が良くなってきて、メーカーへの転職が決まったから。
ここ2年ほど、アルトナー以外の会社でもよく聞くのが「メーカー企業への転職が決まった」というものです。
辞めたい理由自体は給料が低い、希望が聞いてもらえない、派遣という立場に不満、などなどあるわけですが、
思い切って転職活動をしてみたら、想像以上にメーカー企業から声を掛けてもらえたというケースが増加してきています。
実際、ここ5年ほどは景気が良くなる一方であり、メーカー企業の業績は非常にいい状態です。
景気がいい時というのは開発プロジェクト数が増加したり、新規事業への投資のために社員数増強を図ることが多いので、求人数は明らかに増加します。
このようなタイミングは、募集する企業側としても選考ハードルを下げる傾向にあるため、転職が比較的容易になります。
フォーラムエンジニアリングを始めとするエンジニア派遣会社から転職する場合、転職支援アドバイザーの在籍する転職サイト(エージェント)を利用することをお勧めします。
アルトナーの派遣先からの引き抜き話は本当にある?
アルトナーへの入社面接時、採用担当者や面接官から、
「派遣先の企業側から”〇〇さんを中途採用で迎え入れたい”と言う声がかかることもある」
と説明されている方が多いようです。引き抜きのようなものです。
実際そのような引き抜き話はあるのかと言いますと、業界全体ではよくある話です。
派遣エンジニアとして派遣先で働くうちに高評価が得られ、あまり外注業者には任せたくないようなコア業務を任せたいとなると、このような声かけを頂けることが多いです。
引き抜き、と言うとちょっと人聞きが悪い感じがしますが、派遣会社側としてそれをOKとしているケースと、そうでないケースがあります。
- 派遣会社として引き抜き(転籍)をOKとしている場合、想定される年収のいくらかを料金としてもらうことでWin-Winにしているケース。
- 派遣会社としては引き抜き(転籍)をOKしておらず、無理に引き抜くと会社間の関係決裂に発展しかねないケース。
アルトナーの公式サイトにも掲載がある上、面接の場で「派遣先のメーカーから声が掛かるよ」と言っているのだとすれば、公にOKしているためパターン1とみて良いでしょう。
ただし、どうも派遣先に転職したと言うアンケート回答が相当に少ないのが気になります。
1年間にどの程度の人数が派遣先から声がかかり、転職が実現しているのかちょっと疑問です。
なお、アルトナーの他にも、アウトソーシングテクノロジーやVSNといったエンジニア派遣会社も、紹介料としてサービス料金を頂くことで引き抜きしても良いと言うサービスをやっています。
アルトナーへの入社を迷っている人、退職したい人へのアドバイス
あなたがアルトナーへの入社を判断する上で有益な情報や、退職したい理由に近い方のコメントはありましたでしょうか。
冒頭の「アルトナーを退職したいと思う3つの理由」でもお伝えした通り、アルトナーの元社員の方が退職を考えた理由としては「給料が低い」と言うことが挙げられます。
また、実際に景気がいいことから転職活動が上手くいきそうだと言うことを察知して、見事成功したと言うケースも多々あります。
もし転職してもいいなと思われるのであれば、現状は転職には悪くないタイミングです。
- 募集数が多い割に、転職希望者が不足している。
- 過去に採用できていたレベル・経験のあるエンジニアが採用できないため、選考ハードルを大きく下げている。
- 採用人数を増加させるために、前職より良い給与を提示するような方針をとっている。
世間では2020年に入り景況感の悪化が叫ばれていますが、直近数ヶ月での職種別の求人倍率を見てみると「技術系・エンジニア」の求人倍率は高倍率のままなのです。
上記の表を見ると右表最上段の「全体」は1.65倍に留まりますが、技術系は電気・機械系は2.65倍、IT系は6.64倍と圧倒的な差があることが分かります。
既に転職・退職を考えている機電系エンジニアの方へ
既にエンジニアとして転職を検討中であれば、先に注意してほしいことがあります。
それは、「CMやWeb広告でよく知られた大手転職エージェントに登録してはいけない」ということです。
某R社やD社など本当に知名度が高く信用できそうに思いますよね。しかし大手エージェントにサポート登録しても、エンジニアであるあなたの転職相談を担当してくれるのは、なぜか文系出身・エンジニア未経験のアドバイザーが大半なのです。
今あなたが担当している職務や悩みは、文系出身でエンジニアの仕事に詳しくない人に伝わるでしょうか?答えはNOです。
話し上手なアドバイザーにマッチしてるか分からない転職案件を紹介され、「こんなものか」と感じながら後に引けずに転職活動を進めてしまう、、、のがオチです。
ですので、今すぐ転職活動を始めるつもりなのであれば、エンジニアやメーカー転職を専門とするエージェントを選んでください。あるいは、大手エージェントの中でも”職種ごとにアドバイザーが分担されているエージェント”でも良いでしょう。
▼機電系エンジニア&製造業の転職に詳しいエージェント例
・メイテックネクスト
・タイズ
・JACリクルートメント
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『メイテックネクスト』製造業・メーカーへの転職を専門
- 製造業・メーカー企業への転職サポートが専門
- 機械電気・組み込み分野の求人案件は特に強い。総合型エージェントが注力できていない中小規模のベンダーもカバーしている。
- 大手エージェントと比較して、親身で丁寧なアドバイザーが多い。求職者の転職活動ペースを尊重してくれる傾向。