昨今、文系・理系といった大学の出身を問わず、「ITエンジニア」に注目が集まっているのは皆さんもご存知の通り。
コロナの影響による業績不振が世界中の企業を襲う中においても、IT系エンジニアの求人倍率は他の職種を圧倒して「6.64倍」という高倍率を維持しています。
そこで登場してくるのがこの記事で取り上げる「プログラミングスクール」のことです。
皆さんも、著名なIT系企業の経営者や元エンジニアといったインフルエンサーが「プログラミングスクール」を紹介しているのは見たことがあることでしょう。
実際、インフルエンサーがYouTube等で発信している「これからの時代はエンジニアの需要がさらに伸びる」という発言は、聞いていると引き込まれるものがあります。
実際にプログラミングスクールというサービス自体増えましたし、「スクールを卒業して内定が出ました!」と言うスクール卒業生のツイートも頻繁にみられます。
逆の立場の採用企業側から見ても、キャリア採用にスクール卒業生が応募してくるのは日常茶飯事です。
今や、「プログラミングスクールでスキルを身に着け、プログラマーに転職する」という道は普通の選択肢なのです。
ですが、実際にはプログラミングスクールと一言でいっても様々な種類があるので、『自分がどんなスクールに行けば良いのか』って正直分からなくないですか?
「高額なスクールを卒業したのに就職できなかった」という、悲惨なブログ記事やSNS投稿も見たことがあるという方もいることでしょう。
2020年を境に未経験者が内定を得るハードルは一気に高まりましたから、中途半端な覚悟、適当な選び方でプログラミングスクールに入学すると痛い目を見ます。
そこで今回は、あなたがプログラミングスクールに通う前に『必ず知っておくべき情報』を一記事にまとめました。
私は本職として、エンジニア職の採用アドバイザーを企業からお任せいただいています。
エンジニアを採用する上でスクールの卒業生は選択肢に入りますので、その過程で、例えば「このスクールの卒業生の理解度は総じて高く、モチベーションもよい」とか、「それほど学習・開発経験がない卒業生ばかりなのに、売り込みがゴリ押しすぎて引く」スクールがあることも、実体験から身に染みて理解しています。
(スクール黎明期には採用に失敗し、痛い思いもしました。)
そんな私がこれまで得た知識をこの記事で紹介していきます。
- プログラミングやエンジニアという職種について知りたい人
- プログラミングスクールに興味があるけど、選び方が分からない人
- スクールに通おうか迷っているが、異分野・文系出身だから不安がある人
プログラミングはやる気次第で誰にでもできるようになる
まず前提として、あなたはプログラミングを習得する為には何が必要だと思いますか?
プログラマーになるために必要なのはスキルでも経験でもありません。やる気です。
いきなり精神論でガッカリするかもしれませんが、正直プログラミングってやれば誰でもできるようになるんですよ。
もちろん勉強が不得意だとか論理的な思考能力が低いとかであれば苦労はします。
ただ、実際には慣れの部分が大きいです。
「IT media(アイティメディア)」が、各企業のIT関連部門の面接官担当者や指導担当者に行ったアンケート調査では、以下の結果が出ています。
アンケート「あなたが新人を1人指導しなければならないとしたら、次の2人のうちどちらを選びますか。」
- プログラミングセンスは抜群だが、目を合わせずあいさつもできず、とても客先には出せなさそうな新人 →64.7%
- 明るくほがらかでやる気もあるが、プログラミングセンスがゼロの新人 →34.6%
明るくほがらかでやる気もある新人を選んだ指導担当者は、
「やる気さえあれば仕事はできるようになる」
「技術はいずれ身に付く。コミュニケーション能力の方が重要」のような意見が大多数だった。
センスのなさをカバーする方法としては、
「サンプルプログラムを渡す」
「ベースとなるプログラムを作っておき、それを変更させる仕事を割り当てる」などが挙げられた。
いかがでしょうか。
まだ納得いかない・不安だという方は、プログラミングが難しくない理由を後述しているので読み進めてください。
絶対にやる気さえあればできるようになります。
プログラマーになるのに理系である必要はない!
このサイトにお越しになる方は理工学部の機械・電気・化学系の学科を卒業した方や、文系出身の方が多いと思います。
そういう方からすると、「異分野からプログラマーになるのは流石に難しいのではないか」といった印象を持たれがちですが、全くそんなことはありません。よくある誤解です。
実は、プログラマーになるのには「文系か理系か?」「情報系の学科か?」ということは、あまり関係ないんです。
これって実は、「今の時代はプログラミングスクールがあるから」というものすらありません。
例えば日本IBMやNTTデータといった大手IT企業でも、やる気のある文系出身者をプログラマーやSE職で新卒採用することは珍しくないんですよ。
文系プログラマーは少なくない。理系の異分野出身者も多数。
実際に統計的に見ても、異分野出身のプログラマーは少なくないことが分かります。
日本の国家IT戦略を担う「情報処理推進機構(IPA)」という機関のデータからも、「異分野からプログラマーに転身する人材が大勢いる」ことが分かります。
一番わかりやすいデータとして「IT人材白書」から紹介しますと、まず第一にIT技術者の内の約30%以上が文学系、社会学系、法学系、経済学・経営学系などの『文系出身である』と示されています。(緑色の枠内)
さらに続いて、IT技術者のうちの約20%が 『情報系以外の理系出身者』であり、機械工学、電気電子、化学・生物、薬学系からプログラマーの道へ転身しています。(橙色の枠内)
面白いのは、情報系以外の理系出身者がITエンジニアになる人数は「20代より30代の方が多い」という点でしょう。
「30歳までメーカーで機械設計の中堅レベルに至るまで働いたが、技術分野ごとの需要を考えた末にプログラマーやSEに転身することにした。」
このように分野シフト、つまり異分野からキャリアチェンジしてプログラマーを志すパターンは、最近では当たり前のような話になっています。
基本的にプログラマーになるためには「足し算・引き算・掛け算・割り算」といったような四則演算が理解できればよく、自分が理系である必要はありません。
AIなどの特殊な分野について言うと数学、特に統計学に関する専門的な知識が必要ですが、それ以外はほとんど必要ありません。
こういった背景を踏まえると、プログラマーは他のエンジニア職と比較して習得が比較的カンタンと言いますか、「大学まで出戻らなくても、後天的に習得可能」であると言えます。
出身がモノづくりエンジニアの方だと、対象物がプログラムではなかったとしても「何らかの対象物を開発する」という経験をしてきていること自体が大きなプラス要素にもなります。
プログラマー(エンジニア)は2020年現在も不足している
2019年までの数年間は好景気が続き、中途採用におけるエンジニアの求人倍率は10倍前後という超高倍率にありました。
求人倍率10倍がどんな状況かというと、「わざわざスクールで学習しなくても、意欲とコミュ力があれば中途採用され、入社後に教育が受けられる」というレベルです。
ちょっと異常とも言える加熱ぶりで、給料のベースアップにより退職を抑制しようとする企業も相次ぎました。
ですが2020年に入り、ご存知の通り景況感は悪化し、多くの業種・職種で求人倍率は大きく減少しました。
プログラマーを始めとする「エンジニア」も求人倍率の悪化は避けられなかったのですが、それでもエンジニアの求人倍率は約7倍と、他の職種を圧倒する高倍率を維持しています。
この人手不足を示す簡単なデータをご紹介します。
上の表は転職サイト「doda」がリリースした、2020年8月度の求人倍率データです。
この表を見ると、橙色の枠の「技術系(IT・通信)」が求人倍率6.91倍と突出しています。
つまり一人の求職者に対し、求人募集が6〜7件もあるということ。
全職種トータルの求人倍率はどうなのかというと一番上にある通り1.65倍で、技術系(IT・通信)の6.91倍とは5倍以上もの差があります。
なぜプログラマー(エンジニア)は求人倍率が高いのか?
このように、プログラマー・IT系の求人倍率がずば抜けて高いのには明確な理由があります。
「AI・5Gといった先進IT技術の発達によって、サービスの抜本的な改革、企業や省庁のデジタル化のための仕事が急増している」
プログラマーに関して言えば、これが何よりの理由です。
まだ一般消費者の目には触れていないだけで、革新的なサービスの準備が着々と進んでいます。
細かい要因は省きますが、半導体の性能向上と、無線ネットワーク技術の進歩が重なったことで国や企業のビジネスに大きな変化が起きているのだとお考えください。
このような新しい技術を開発したり、国や企業に滞りなく導入していくためには多くのIT系エンジニアが必要となるのです。
一つの例えとして、「はんこ廃止」や「マイナンバーによる自治体での申請のIT化」が分かりやすいかと思います。
これらの施策を日本全国で推進すれば、あらゆる市役所・区役所・出張所で、ITインフラの整備やソフトウェアの開発・導入が必要になるのは想像できますよね。
そうすると、プログラマーを始めとした多くのエンジニアのニーズが生まれます。
デジタル庁は国内企業のITによる業務効率化ですとか、サービス・製品の競争力改革(DX;デジタルトランスフォーメーション)を推進していく方針も持っています。
以上の背景から、プログラマー・ITエンジニアの需要は今後も上がるばかりなのです。
実際、モノづくり分野の代表格である自動車メーカーや家電製品メーカーも、「機械・電気エンジニアより、ITエンジニアの求人数の方が多い」ことが普通になってきました。
非常にシンプルな理由です。
お分かりいただけたでしょうか
これまでの話を簡潔に言うと、「2019年はプログラマー一人に対して10個の求人があったが、2020年は7個に減った。それでも人手不足な状況なのは変わらない。」ということです。
2019年以前は、全くの未経験者でさえ意欲だけで採用されるくらいに人手が足りないという、一般の人から見れば異常な状況でした。
2020年に入ってリモートワークが当たり前になったことで、企業としては未経験者の教育が非常に難しくなりました。このため求人案件のハードルが上がり、「基礎知識レベル」までは勉強してきている人材を求める求人案件が増加しています。(無論、実務経験のある中堅エンジニアの方が引く手数多です)
詳しい勉強の方法については後述しますが、独学・プログラミングスクール問わず、企業が必要とする内容・レベルの勉強が必要と言うことは覚えておいてください。
「スクールを卒業したのに就職先が見つからない!」と言う最悪な落とし穴にハマらないためにも、評判は必ずチェックして選ぶようにしましょう。
プログラミングは他の仕事と比べても習得が簡単。
プログラマーを押す最後の理由、それは「プログラミングはそれほど難しいものじゃない」ということです。
おそらくあなたが想像しているよりも、遥かに簡単!
営業マンとしてノルマを追う方がメンタル的には確実にキツイし、同じ技術系で言えば機械・電気系エンジニアの方が学問的な理系知識が必要で、間違いなく厳しい。
プログラミングのコードは、ググれば基本的なものはすぐ出てきます。
このコードの細かい部分をカスタムしつつ、あとはパズルのように組み合わせで作り上げるもので、「ゼロから書き上げる」ということは初心者にそうそう与えられる仕事ではありません。
今ではProgateやAidemy、ドットインストールなど、プログラミングをゲーム感覚で楽しめるような学習環境がかなり整っています。
こういった学習環境がネット上にあるというのは、他の職種だとなかなか見当たらなくないですか?
もちろん、無料学習サイトで学習しただけで真っ当な企業に就職できるかといえば、就職については別の話です。
ともあれ、ひとつの業界として「初学者を受け入れる・学べる体勢がある」というのは非常に大きな要素と言えるでしょう。
それでは続いて、どのようにプログラミングスキルを学ぶべきか?
特に「プログラミングスクールには通うべきなのか」をお話ししていきます。
プログラミングスクールに通うべきか考える
『プログラミングスクールに通った方が良いのか』という疑問については僕もよく相談されるんですが、結論、プログラミングスクールは学習効率がすごく上がるのでオススメです。
あと、ちょっと興味を持った方が最も気にするポイントは「無料の学習サイトで十分という意見もあるけど、どちらでも大丈夫?」という点でしょうかね。
なるべくコストはかけたくない、
でも徹夜で連勤するようなブラック企業や、
不安定な派遣社員にはなりたくない。
これは誰だってそうでしょう!
損しないだけじゃなくて、できることなら会社員にならずフリーランスとして自由に働きたい、noteで技術トレンドについて語ったり、週休3日で年収800万稼ぐとか、誰だって将来には少なからず希望を持っていたいじゃないですか。
そんな本音があるのに無料学習サイトで大丈夫かなー、、、って思う人は、とりあえず無料学習サイトを試してください。無料なんだから。
無料と言わずとも、例えばUdemyの講座は、わずか1,680円など価格の割に学びが非常に多いです。(以下の講座も定期的なセールで1,680円になります)
それで実際にローコストな学習サイトで勉強をある程度やってみると、すぐに分かることがあります。
それは、これらの学習サイトでは、自分で何を学習するべきか見極める必要があるということ。
- 今の自分のレベルに必要な教材を
- 数ある教材の中から質の高いものをピックアップし
- 最後まで挫折なしでこなす
何から学べばいいかわからない次元の初学者が、これらを結局ググりながら考えるのには多大なパワー(労力)が要ります。
一方でプログラミングスクールは?と言えば、ただ学ぶだけではなく「今、あなたに必要な教材」を適宜与えてくれるというメリットもあるというわけなのです。
例に上げたUdemyのJavaScript講座を例にとって、もう一つ大事なポイントがあります。
この講師の方は書籍も出版されている有名・優秀な方ですが、レビューにはこんな口コミが書かれています。
Macを使用しているのですが、nginxを使用してサーバーで起動するとあるのですが、具体的な起動方法が説明されていない為、かなりの時間をかけてググってみても方法がわからず、結局、サーバーでの起動部分の確認が出来ないで状態で終了してしまった。
簡単な部分の説明は丁寧だが、難しい部分の説明が簡単に進められている印象を受けました。
1章にサンプルが複数ある場合にどのサンプルの部分を説明しているのかわからない為、探さなくてはならないので、どのファイルを説明しているのかわかる様にされた方が良いと感じました。
この講座自体のレビューは912件も書かれており、満足度は5段階中4.1と基本的には好評です。それはいいのです。
何が言いたいかというと、引用したレビューの赤字部分にもある通り、無料学習サイトのデメリットは「わからないことを講師に質問できず、自分で膨大な時間をかけてググらなければならない」という点なのです。
分からないことなんて、頻繁に出てきます。誰にでも、確実に出てきます。
この点、プログラミングスクールはほぼ確実に「メンター(講師)」がいて、すぐに質問ができ、腹落ちするまで時間をかけて解説してもらえます。
- 体系的なカリキュラムがないので、「次に何を学べばいいのか?」「どこまで学べばいいのか?」など、教材選びの段階で労力がかかる。(→結果、挫折しやすい。)
- わからないことをその場で講師に質問できず、自分で膨大な時間をかけてググる羽目になる。(→プログラミングを学習する上で、分からないところは確実にある。結果、挫折しやすい。)
プログラミングの知識を効率的に習得するための投資だと考えれば、プログラミングスクールはかなりコスパが高いんじゃないかなと思うのです。
補足ですが、数ヶ月の学習後には「就職活動」が待っています。エンジニアとして働きたいわけだから当然ですね。
- 自力で転職活動をして企業のホワイトorブラックを判断するか
- スクールの転職支援制度を活用して、間違いのない企業群を紹介・アドバイスしてもらうか
就職面での手間・リスク・コストを天秤にかければ、スクールはコスパがよく安全だと言えるでしょう。
無料のプログラミングスクールがおすすめできない理由
時折見かけるのが、無料のプログラミングスクールです。
無料スクールも、受講料が無料でありながら、一応は講師が講義をして質問にも回答してくれる「スクール」の形式をしています。
もちろん学習カリキュラムがあり、就職支援の制度もあります。
ですが、私は無料のプログラミングスクールの大多数はおすすめしません。
理由は、「無料スクール卒業後の就職先の大半がSES・派遣会社」だからです。
無料プログラミングスクールの就職先の大半はSESである
無料のプログラミングスクールは就職支援といっても、大抵はSES・エンジニア派遣会社しか紹介してもらえません。
SESやエンジニア派遣会社の何がいけないのかについては別記事で詳しく触れますが、簡潔に言うと以下のように見逃せないデメリットがあります。
- 派遣先によって必要なスキルが変わることが頻繁にあり、中途半端な経験ばかり積んでしまう
- 景気が悪くなると派遣案件も減り、業務内容・地域・給料に大きな影響が出る
- 景気がいい間はスクールに通っていない未経験者でも入社できてしまう(離職率も高い)
要するに無料のプログラミングスクールは、その程度のレベルまでしかスキルが身につかないカリキュラムなのです。
この背景には、無料スクールの収入源が「企業に卒業生を送り込むことで得られる紹介料」で成り立っていると言うビジネス構造が存在します。
SES・派遣会社は、自社開発の企業や技術力のある受託企業より採用人数が多く、採用ハードルも低いため「卒業生を入社させやすい」のです。
本当に、無料のプログラミングスクールはその程度のスキルしか身につかず就職支援が期待できないので、わざわざ通っても無駄だと覚えておいてください。
ケチっても全くいいことはありません。無駄無駄無駄ァ!!というものです。
なお、SES・派遣でしか入り込みにくい企業や業務案件があるのも事実です。
受託専門の企業では「外部に切り出しやすい業務」が中心になってしまうため、客先常駐なら本当の上流工程や技術の美味しい部分を味わえる可能性があるというメリットもあります。
ですが、「好景気ならばそう言うことも期待できる」と言うべきメリットで、不景気で派遣利用が少ない今は厳しいでしょう。
プログラミングスクールが必要ない・通わなくていい人には特徴がある。
「本当はプログラミングスクールなんて必要ないんじゃないか?」という疑問にお答えします。
つまりスクールに通わず独学でプログラミングを習得して、プログラマーに転職する方法もあるんじゃないの?という質問です。
実際のところ言うならば「スクールはコスパがいい」と言いつつも、独学の方が向いていてプログラミングスクールが必要ないような性格・素養を持つ方々がいます。
プログラミングスクールが必要ない人、それをシンプルに言ってしまえば「途中で挫折しない人」です。
ありきたりですが事実です。
プログラマーになるにあたり、独学に挫折せずスキルを身につけて就職まで達成できる人は、以下のような性質を持っていると分析しています。
- プログラマーになった後の最終目標が明確になっている人
- いつまでに達成する目標であるか明確になっている人
- 物事に没頭できるタイプで、例として「大学受験」で毎日の勉強を習慣化できた経験がある人
※あえて「PCが好き・プログラミングを体験してみて好きになれた人」といった、しょうもない条件は外しました。
このような性質を持っている方々であれば、独学でプログラミング習得を目指しても挫折しにくい傾向があります。プログラミングスクールは必要ありません。
特徴①:プログラマー・エンジニアになった後の最終目標が明確になっている人
突然「最終目標」と言われてもイメージが湧かない人が大半かと思います。
例えば「あなたが目指したいのはWeb系、それとも業務系?」とか、「サーバーサイドorフロントエンドどちら?」と言った次元で結構です。
独学で挫折しないためには”ゴールに照らし合わせた勉強計画を立てられている”ということが重要だからです。
特徴②:いつまでに達成する目標であるかが明確になっている人
計画に期限は必須です。
”いつ”という期限の要素は、独学を続けていくためのモチベーション維持にも効いてきます。
期限を決めずダラダラやっても知識が定着せず、逆に忘れていってしまうというマイナスの側面もあります。
特徴③:物事に没頭できるタイプで、過去に勉強を習慣化できた経験がある人
独学は「孤独」です。
そして、孤独は”モチベーション低下”の主要因の一つです。
独学では強制力がなく、あらゆる誘惑に弱くなります。
誘惑に負けているうちに、「プログラマーになって人生変えるんだ!」と燃え盛っていたはずの目標意識がどんどんと薄れ忘れてしまい、あっという間に挫折してしまうのです。
「強い目的意識を持ち続け、長期間の勉強を習慣化できた経験がある」という人だけが、独学でのプログラミング習得を成功させているように見受けられます。
例えば、大学受験や資格取得のために1年程度は脇目も振らずにやってきた、という人のことですね。
過去に自分だけの勉強ルーチンに没頭し習慣化したという経験があれば、プログラミングでも挫折しにくいでしょう。
プログラミングに限らず大人になってから行う努力というのは何かと難しいもの。
「日常の仕事から生じるストレスがある」
「学生以上にお金の余裕があり逼迫していない」
「時間的な余裕は少ない」
学生時代と比べ、社会人には一つのことに必死になるほどの目的や余裕が少ないため、独学の習慣化はとても難しいことなのです。
ここまでのまとめ:独学で挫折しそうな人はスクールに通うべき
「自分は孤独に強く目的意識も明確だ。自分で計画を立てて継続できる。」という方にプログラミングスクールは必要ありません。
むしろスクールなど通わずに、自分で模索して納得感を持った上で勉強した方が理解度も高く、段違いのスピードで向上していくでしょう。
ですが、事実として、
独学でのプログラミング習得に挫折した先輩が大勢いるから「独学では厳しい」ということを伝えたくて、この記事を書いています。
プログラミングの独学に挫折した方々は時間を無駄にした結果、以下のどちらかを選びます。
- 「プログラミングスクールに通ってスキルを習得する」
- 「プログラマーを諦めて、今の仕事を嫌々続ける(退職済みの場合は、元々の職種で転職先を探す)」
このどちらかを選ぶ人が大半です。
結局のところ、スクールに通うと挫折リスクを極力下げられます。
強制的に学習に集中できる環境を作らないと、しっかり決意したはずなのに挫折してしまいます。
いい例としては「あんなに欲しかったギターなのに、1曲弾けるようになるどころか1ヶ月もせずFコードで挫折してしまった。」といったケースですよね。
押さえにくいFコードで挫折するって、昔も今も変わらないギター挫折あるあるだと思いませんか?
このギターだって、「強制的にギターを学ぶ環境」や「学ばなければならない理由」があれば継続できたはずなんです。
例えば友人とバンドを組んでステージデビューする予定を組んでしまったとか、それこそヤマハ音楽教室で毎週木曜日にレッスンを受けることにしたとか、そういうことなんですよ。
独学だと最初の熱意が薄れやすい上に、「今、何にどうしてつまづいてしまっているのか?」が分からず、指摘もされません。
”つまづいては膨大な時間をかけて自分で調べる”というループを繰り返しているうちに、
「プログラミングが身についている感・進んでいる感がなく、勉強が嫌になり、挫折する」
という落とし穴にハマってしまいます。
プログラミングスクールに通うと素早くスキルアップできる
先に書いている通り、結局は独学で学ぶよりプログラミングスクールに通った方が”効率的”にスキルアップできます。
優良なプログラミングスクールであれば、プログラマーに転職することが最終目標ということを念頭においた学習カリキュラムが組まれています。
さらに単純な話、『教えてもらったほうが早く、わかりやすく学べる』というごく自然な理由もあります。
実際に、独学でプログラマーへ転職する方の多くは1年〜1年半くらいかかっていますが、スクールに通ってからプログラマーになる人はだいたい6ヶ月くらいで転職しています。
スクールに通えば、それくらい効率が違うんですよ。効率化と挫折対策のためにスクールにお金を払っているのです。
スクールに通えば内定は複数社からもらえるのが普通で、転職後のプログラミング実務でも良いスタートが切れると思ったら大間違いです。
- 企業の中途採用に複数応募したら、2割くらい書類選考が通って、なんとか1〜3社ほど内定が得られる
- 転職直後はせいぜい新卒相応のパフォーマンスしか出せず、日々の勉強は必須
- 前職より給料が下がることも普通にある
このくらいは想定しておいた方がいいです。バラ色ではありません。
でもやっぱり、営業や他分野のエンジニアが味わう苦労よりは楽ですし、未来が明るいのも間違いないです。
スクールを卒業して就職する段階まで辿り着けるなら、日々の勉強も楽しめる方がほとんどでしょう。他の職種と異なり、年収が数年スパンで上がりやすいのも魅力です。
「スクールを卒業したのに就職先が見つからない!」と言う最悪な落とし穴にハマらないためにも、評判は必ずチェックして選ぶようにしましょう。
失敗しないプログラミングスクールの選び方を理解する
プログラミングスクール選びにおいては何より「選び方を間違えない」ということが基本です。
というのも、通わない方がいい悪質なスクールが存在するからです。
「プログラミングスクール業界の闇」とまで言われてしまう、悪質スクールの特徴は明白です。
端的に言って、以下のような特徴を持つスクールは選んではいけません。
- カリキュラム内容とレベルが、現状の開発現場のニーズに合っていないスクール
- 指導をしてくれるメンターの能力が低い、質問回数の制限がある等、講師が良くないスクール
- 「フリーランスとして活躍できる」「年収1000万円」といった夢のような話を大々的なPRに使っているスクール
とは言え、多くのスクールが上で挙げたように「転職サポート充実。メンターには質問し放題。プログラマーは年収1000万でフリーランスいけまっせ!」と宣伝しています。
実際、プログラミングを学んでITエンジニアになるぞと意気込んでスクール探しを始めたものの、
「結局全部同じに見える。」
「どのプログラミング言語を選ぶべきなのかも分からない。」
「怖いしまた今度にしよう・・・。」
このように迷って意気消沈した挙句、面倒くさくなって諦めてしまう方が多いようなのです。
例えば上の「テックキャンプ」という大手スクールが悪い見本のひとつです。
超大手の「テックキャンプ」は著名人や有名YouTuber、他のスクール比較サイトが猛烈プッシュしており、毎期の受講者は200名前後と言われています。
この表は、テックキャンプの公式サイトに掲載されている「他スクールとの比較表」ですが、選んではいけないプログラミングスクールの特徴に多く当てはまっています。(オレンジ枠内を参照)
少しTwitterで調べて貰えば分かる通り、「卒業後に就職先が見つからなかった」という口コミや、「講師に質問しても1〜2日遅れて回答される。その間、課題を進められない。」といった直近の口コミは頻繁に出てきます。
テックキャンプは
・手に職
・年収アップ
・求人倍率高い
・転職成功率99%
をエサにしているため
自分で事実検証が出来ない情弱をターゲットにしてるから悪質。・プログラミングのやりがい
・教育内容の充実度
といった点を売りに健全な宣伝広告を行うべき。
それなら社会的意義はあると思う。— はりー@YouTube登録者5.4万人 (@haaary1012) January 9, 2021
「大手っぽい会社への就職実績が書いてあるから大丈夫かと思った」
「ホリ●モンやマ●ブさんも勧めてるし、説得力があった」
「受講料が他より高いから、きっと成果が出るんだと思った」
卒業生のこういった感想を読んでいると、本当に気の毒な気持ちになります。何十万円という料金を払っていますからね。
それでは本題、「選んではいけないスクールの特徴」を解説していきます。
気をつけよう①プログラミングスクール「就職支援サポート」の闇。
一口に「転職支援というサポートがある」と言っても、その定義があやふやで危ういスクールもあるんです。
- 「転職を保証する」ということをウリ文句にしている。
- 「転職成功率99%」などの計算式が明記されておらず曖昧。
現実的に考えて、「転職を保証する」なんてできるでしょうか?
「御社のカリキュラム卒業生なら、誰でも採用しますうううう!!」みたいな企業があるでしょうか?
希望を打ち砕くようで申し訳ないのですが、そこまで甘い世界ではありません。
では何故「転職保証」や「成功率」を売り文句にしているのか?
つまりこれは、「エンジニアとしての将来性を無視する”派遣会社(SES)”ばかりを紹介される」ということだったり、
「そもそもスクール卒業までたどり着く前に挫折・中退してしまう人が50%くらいいる」ということなのです。
このサイトの読者の方は、いわゆる「無期雇用派遣」という会社出身の方が多いと思います。
イメージしやすいように言うなら、「いつまで経っても、研修内容とは関係ないテスター作業ばかりを任される」企業を紹介されるようなものです。
ちょっと考えれば誰でも分かる転職保証の闇 https://t.co/7YdC9J04mk
— ひさじゅ@RUNTEQ (@hisaju01) October 14, 2020
そして、挫折率50%というスクールはリアルに存在します。(もちろんスクール側はそんんなことどこにも書きません)
80万も払って中退、勿論返金はされない。
こういうスクールが普通にあるのが怖いところ。
まさにプログラミングスクールの闇です。
一方で、挫折するのには入学者側にも問題があります。
「カリキュラムはしっかりしてるって書いてるし、これだけ高い金額を払ってるんだから上手くいくでしょ」と甘く見ている受講者が非常に多いのです。
自分自身の覚悟と言いますか、極論「なんとしても人生変えてやるんだ!」と言う気持ちが足りない、本人の問題です。
どこのスクールがいい・悪い、と言う話以前の問題ということですね。
ただ、入学前に無料でカウンセリング面談をしているわけだから、「そんな気持ちで入学しても挫折するから止めた方がいいですよ」と諭してあげたらいいのに、と思うところでもあります。
テックキャンプに通って一番驚いたのは、受講料の高さでも、メンターの質のばらつきでも、SESを勧めてくることでもなくて、「これだけ高いお金払ってるんだから、スクールがうまいこと転職させてくれるんでしょ?」という人の多さと、そういう人ほど早い段階からフェードアウトしていく現象でした。
— 壮|ファッションテック企業のエンジニア (@sew_sou19) January 8, 2021
当サイト内の「【社会人向け】おすすめのプログラミングスクール!完全まとめ」のページでは、目的・分野ごとに評判がよく就職率も高いスクールを厳選して紹介しています。
気をつけよう②:実はメンター(指導者)も、同スクールの卒業生で実務経験なし。
時折、「メンターが学生バイトだったらやめろ」というサイトを見かけます。
私としては最近の学生は非常に優秀で、メンターとしてバイトできるなら、それなりのスキルがある成績優秀者だなと思っています。
ですが!
悪質なスクールでは、スクールの卒業生がそのまま講師をやっているケースもあるのです。
「プログラミング未経験からスクールAを卒業。結局転職できなかった人」が指導者をしている場合があるのです。
これ、普通に怖くないですか?
実務の経験がないくせに、実務で通用する!とか、君なら内定出るよ!とか言うんですよ。
こういうメンターは自社のスクールカリキュラムにしか精通していません。
答えが初めからわかっている上で説明するのです。
その他の知識は殆どないに等しいですから、ちょっと突っ込んだ質問をするとボロが出てしまいます。
更にスクールの講師(メンター)関係の話で少々横道に逸れますが、「100人の受講生で、たった5人しかいないメンターを取り合う」というほど講師不足のスクールも存在します。
”質問し放題”ってどういうこと?って話ですよね。
気をつけよう③:実務経験の少ない人がフリーランスになれるほど甘い世界ではない
最後です。
すぐフリーランスになれて自由に働けるとか、高収入が期待できて年収1000万だと、夢を持たせすぎるスクールは避けた方が無難です。
プログラマーは、確かにフリーランスになりやすいです。しがらみがなく、自由です。
プログラマーは、他の職種より高い年収水準なのも確かです。昇給ペースも早いです。
ですがそれは、きちんと毎日勉強して、実務で数年の実績を上げ、かつフリーでも仕事を得られる営業能力も兼ね備えた人の場合です。
「プログラマー=フリーランスで年収1000万確定」ではないのです。
真面目にやりましょう。
スクール側の言うことは嘘ではないものの、宣伝で使うにはあまりにも雑なPRで消費者を騙しているようにさえ思います。
まとめ:自分に合ったプログラミングスクールを選ぼう!
ここまで解説した『プログラミングスクールに関する情報』を事前に把握しておけば、あなたにとって損が生じるようなスクール選びはせずに済むでしょう。
繰り返しになりますが、プログラミングスクールはかなりコスパの良い自己投資だと言えます。
この後は当サイト内の「【社会人向け】おすすめのプログラミングスクール!完全まとめ」のページを読んで、自分の目的や好みに合うスクールを探してみてください。
どのスクールも厳選して選んでおり、皆さんの気持ちが本物であれば結果はついてくるであろうスクールです。
最後に、一つだけ皆さんにお伝えしておきたいことがあります。
それは「プログラマーへの転職に裏技はない」ということです。
どんな勉強法やスクール、転職方法を選んだとしても、最終的にプログラマーとして一人前に働くようになる人は「愚直に勉強して行動している人」です。
本質的には「シンプルに、数をこなしている人」こそが強いのです。
ですからこの記事で説明した内容は、勉強を効率化するためのテクニックのようなものだと捉えてください。
このテクニックは、努力している人が少し楽をできるというくらいの効果しかありません。
- 600時間かかる勉強が400時間で済む
- そのための投資額として、プログラミングスクールの値段はコスパがいい
- どういう方法を取り、どれだけ時間がかかるとしても、最終的に成功するのは「シンプルに努力を怠らなかった人」に尽きる
プログラミングを学習し、エンジニアという職業を目指すのであれば肝に銘じておいてください!
(ちゃんと時間作ってコツコツやればいい話ですから、才能やセンスとか言われない分、エンジニアになるための道は本当に恵まれてると思いますよ!)
一見、30万円〜60万円のスクール費用って高額だなと思います。
だけど、最初に数十万円の費用を支払うだけで、将来月収100万円を稼げるようになれるという期待が持てるのであれば、スクール費用に対する見方も大きく変わるんじゃないでしょうか。
実際、メーカー勤務の正社員エンジニアにせよ派遣エンジニアにせよ、ものづくり系では年収1,000万円かつフリーランスという働き方はほぼ達成できないのですから。
そう考えると、努力した先のゴールが全く違うのですから、ワクワクしてきませんか?
まずはあなたも、「自分の幸せの形ってなんだろう?やりたくないことはなんだろう?」と振り返った上で、プログラミング学習に取り組むことをおすすめします。
人間は挫折しやすく、目標を忘れやすい生き物です。
ぜひ、自分にとって最も挫折しづらく、かつ効率の良い方法を選んで、プログラマーへの第一歩をスタートしてください!
当サイト内の「【社会人向け】おすすめのプログラミングスクール!完全まとめ」のページにて、目的・分野ごとに評判のいいスクールを厳選して紹介しています。