今現在、機械設計エンジニアとして働く「辞めたい・転職したい」と考える方に向けてお力添えできれば幸いです。
「機械設計エンジニア」の仕事は、読んで字の如く、機械全体の仕組みや、金属・樹脂などの材料でつくられる構成部品一つ一つの形状を設計することです。
世の中の目にみえる製品というのは、当然ですがいい加減に形状を決めているわけではありません。
設計エンジニアの思想をもとに、強度を計算し、図面を書き、それらを組み合わせて製品の外観が成り立っています。
その下流にはCAE解析、実験評価、生産技術、品質保証など様々な工程が携わって製品は出来上がりますが、
製品仕様そのものを決めるような最上流においても設計エンジニアが関わる場面が多く、また制御系に対しても影響力の強い工程と言えます。
そんなものづくりの一連の工程をの中でも影響力の強い機会設計エンジニアですが、何らかの理由があって転職を考える人というのは必ずいます。
機械設計エンジニアが辞めたい、転職したいと思う理由、そして転職先の選択肢にはどんなプランがあるのか考えていきます。
ここでは、モノづくり分野とIT分野それぞれで、代表的な転職エージェントを二つだけ紹介します。
◆「メイテックネクスト」製造業・メーカーへの転職を専門

- 製造業・メーカー企業におけるモノづくり系エンジニアの中途採用が専門
- モノづくり分野だけでなく、メーカー企業であればIT分野にも強い
- 大手エージェントと比較して、親身で丁寧なアドバイザーが多い。求職者の転職活動ペースを尊重してくれる傾向。
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以下の記事でメイテックネクストの特徴やメリット、登録者の評判、あまり良くなかったという口コミまでさらに深堀りしています。ぜひ参考にご覧ください。

機械設計エンジニアを辞めたい・転職したいと考えるタイミング

1)職場環境や雇用条件に不満がある
エンジニア職に限らず、全職種で転職理由の第一位に上がるのが職場環境による転職希望です。
技術職・エンジニアにおける職場環境の不満というのはつまり、
- 人間関係の不満(上司との関係も含む)
- 残業時間の多さに対する不満
以上2つのどちらかであることが多いです。
人間関係については、自分か相手のどちらかが他部署へ異動できれば大きく改善できる問題ではありますが、
今の勤め先が中小企業だとすると、おそらく簡単に異動が通らず解消することが難しい問題です。
残業時間についても同様で、多忙で残業時間があまりにも多い状況下なのに異動が通るとは思えません。むしろ人を増やしてほしいくらいというのが、会社としての本音ではないでしょうか。
厄介なのは部署単位ではなく、会社全体で長時間残業が常態化している場合です。
また、雇用条件というのは主に給与面や有休がどの程度使えるのか、と言った点です。
機械エンジニア自体はエンジニアの転職市場全体で見てもかなりニーズが高く、
ある程度の戦力であることをPRできれば、給与交渉においても「他にもっと条件のいい応募先があります」と危機感を与えて転職後の給与アップが期待できます。
技術職・エンジニア職での転職を検討するならば、転職支援アドバイザーの在籍する転職サイト(エージェント)を利用することをお勧めします。

2)スキルアップができておらず、将来に不安がある
一口に機械系の設計業務といっても、任されている範囲によって大きく難易度が異なります。
例えば、以下の3つの業務はどれも「機械設計」とひとくくりに呼ばれることがありますが、実際には全くレベル感が異なることはおわかりいただけると思います。
- システム全体のうちの小さな構成部品一つを、指定された形状でCADで図面を書き起こす。
- システム全体のうちの機能単位で1ユニットを、製品仕様を満たす形状で設計計算する。
- 製品そのものの性能仕様を理解した上で、その仕様を満たすシステム構成、メカ部の構造、制御担当者への依頼事項を検討する。
上記のように一口に設計といえど仕事のレベルは様々なわけですが、
「設計部」に属していながら、2年も3年もCADオペレータとして「指示されたとおりに図面を書く」という状況では、
「頭を使わない作業ばかりで仕事に飽きてしまった」と思えてくるのは無理もありません。
(実際、手が足りないという理由で教育されないままCADオペから抜け出せず、転職に踏み切る機械設計エンジニアというのは多くいます。)
「キャリアを積む=稼げる能力を身につけエンジニアとして必要とされるようになる」ということです。
自分から手を上げても成長の機会が得られそうにない場合、ステップアップのための転職は間違いなくポジティブに捉えても良いです。

3)機械設計の業務自体が苦痛で、別工程・別分野にシフトチェンジしたい
何年か機械設計エンジニアとして業務を行ううちに、
同じ機械系の中でも評価検証や生産技術といった別工程にジョブチェンジしたいと考える人もいるでしょう。
一般的に、実験評価や生産技術から設計になりたいというケースは多いものの、設計から別工程へのジョブチェンジを希望するというのは少ないと思います。
ですが、例えば自動車業界や産業機器メーカーのように顧客からの依頼によって製品を設計・納品するようなビジネスである場合、
顧客との条件すり合わせや進捗状況のレビュー、そして納期との戦いというのは、とてつもないプレッシャー(=ストレス)を感じるものです。
なお、機械設計に向いていないと悩む人向けに「機械設計に向いてない人の特徴とは?対処法、キャリアの考え方を解説」という記事を投稿しています。
ぜひ一緒にご覧くださいね!
転職先から見る!機械設計エンジニアを辞めるメリット・デメリット
では実際のところ、機械設計エンジニアの転職先としてはどのような選択肢があるのでしょうか?
メリット・デメリットを交えながらご説明します。

1.機械系の別工程への転職
機械設計エンジニアを辞める場合、真っ先に考えるのが「機械系の別の工程に転職できたらいいのに」ということではないでしょうか。
例えば、生産技術や実験評価、品質保証といった別工程への転職です。
もしくは、設計が好きじゃないだけで図面を書くのは好きだから、モデリングやドラフティングだけやりたいという方も時々見かけます。
機械設計から「機械系の別工程」に転職するメリット
- 設計という工程特有の、顧客との擦り合わせ、納期といった強いプレッシャーから解放される。
- 設計業務に対する知見を活かし、発言力の強い設計部に対して形状変更の申し出が的確にできる強みがある。(設計経験のない評価エンジニア、生産技術エンジニアと比較して)
機械設計から「機械系の別工程」に転職するデメリット
- 転職しても機械設計の即戦力としての働きを求められる可能性がある(工程を変更しての入社が確約されるとは限らない)
- 実験評価、生産技術が設計の言いなりになってしまうケースに直面し、別の悩みが生じる可能性がある。
- 転職市場でのニーズとしては、「設計>実験評価&生産技術」であり逆行することになる。(それでも機械系は多いが)
2.機械系以外の別分野への転職
この10年ほどで徐々に増加して主流になりつつあるのが、「機械系以外の別分野への転職」を希望する人です。
特に、プログラマーやシステムエンジニアだったり、中にはITインフラの設計や保守エンジニアになりたい人はもはや主流といっていい程多いです。
数年前から始まったDXブームによってエンジニアの需要が急速に高まり、未経験者でもITエンジニアになれると宣伝されたのが大きいようです。
ただ、実際には未経験からITエンジニアになれるほど甘い世の中ではありません。
プログラミングスクールがあるとは言っても、エンジニアとして働くのにどれだけ勉強が必要かは、エンジニアとして働いている皆さんなら想像できるのではないでしょうか。
とは言え、完全な素人や文系出身者が勉強してWeb系のエンジニアとして働けているのも事実です。
分野が違うとは言えエンジニア出身の皆さんにはアドバンテージがあるはずなので、現実的に狙えるキャリアプランであるといえます。
機械設計から「機械系以外の別分野」に転職するメリット
- 特に電気、組み込み分野へ転職する場合には、これまでの機械系の知識を活かした「メカトロニクス」的なキャリアプランを描くことができる。
- どの分野にせよ、理系知識やエンジニアとしての論理的な思考、工数管理、スケジューリングといったベースの考え方は活かすことができる。
機械設計から「機械系以外の別分野」に転職するデメリット
- 電気電子系や組み込み分野では大学をまるっとやり直すくらいの学習が必要。(IT系は文系でも取り付けるくらいスタートハードルが低いので除外)
- メーカー正社員、エンジニア派遣問わず、別分野への異動をOKしてくれる中途募集は非常に少ない。募集を見つけるのに多大な時間がかかる。
3.技術職・エンジニア以外の他職種への転職
メリット
- 業務内容が一気にがらっと変わるので、機械設計エンジニア特有の悩みは一気に解決する可能性がある。
- 営業やサービス系の職種でも「技術職・エンジニアを顧客とするビジネスモデル」では強い力を発揮できる。(例:メーカー営業、技術営業など)
デメリット
- 接客での会話コミュニケーションや、営業でのトーク力など、技術職・エンジニアでは必要とされなかった部分でゼロからの努力が必要。
- 働き方や考え方が大きく変わるため、経験のない業界では困惑する場面や、憧れと裏腹に想定外のストレスを受ける場面も多い。
4)機械設計エンジニアとして他の職場へ転職する
メリット
- 職場環境や就労条件のみが大きく変わる。環境に不満がある場合、その点が解決する。
- 会社や部署の意向で長く同じ作業(CADオペ等)ばかり任されていた場合、成長したい意欲を伝えることでステップアップにつながる業務を与えてもらえる可能性が高い。
- すぐに業務に馴染むことができる。
デメリット
- しっかりと転職先を探さなければ同じ悩みを抱える可能性がある。
- 前の職場とのルールや慣習、データの扱い方などが異なり、慣れるまでは違いに戸惑う場面がある。
現実的に、機械設計エンジニア自体を脱却するとしたら「機械系の別工程で転職する」というところまでが現実的なラインでしょう。
企業によって業務の担当範囲は大きく変わるもので、自分はシステム全体の仕様を考え、機械設計を始めとした詳細部分は下請けに投げるようなシステムエンジニアとしての道も考えられます。
この場合には機械設計の経験を大きく活かしながらも、転職によって別の工程へのジョブチェンジを達成することができます。
大企業への転職というのはそれなりのキャリアを既に積んでいないと難しいものですが、
エンジニア派遣会社の正社員エンジニアになり、そこから大企業メーカーに派遣に出るという形であれば、それほど労なく大企業に入り込むことができます。
3年以上程度の経験があれば、派遣エンジニアとはいえプロパー(正社員)とはそれほど与えられる業務内容に差がない場合が多いので、
次の転職の際には経験を買ってもらえて大企業への転職が成功する確率はぐっと上がります。
ただし、この場合は会社間での契約内容で「引き抜き禁止」を掲げている場合、トラブルに発展する可能性もあるため、慎重な判断と行動が必要になります。
最終的には「職業選択の自由」が優先されるんですけどね。

今よりも条件・環境の良い職場を探す方法

特に転職が初めて〜2回目までの場合、なるべく効率よく、失敗のない転職活動を進めるためにも「転職エージェント」の活用をお薦めします。
あなたの機械設計エンジニアとしての経験年数、設計していた対象物、使用できるツール類、どこまで緻密な計算をしていたのか?などなど、
募集をかけている企業側としても「これはマスト条件として経験していて欲しい」と言うフィルターがいくつも設けられています。
この条件は求職者が見れる「求人票」にはほぼ掲載されていません。面接になっても、面接官の口からはいちいち明らかにされないでしょう。
正直、せっかく時間をかけて書いた履歴書を、見込みのない企業に送って落とされることほど、面倒で悔しいことはないです。(新卒の就活を思い出してください。履歴書何枚書きましたか?)
「転職エージェント」はこう言う各企業の細かい求人情報を把握しており、「見込みのある企業=自分とマッチしている企業」を候補として挙げてくれると言う役割をしています。
機械系エンジニア専門の転職エージェント
機械・電気・組み込み・化学と言った製造系エンジニアの皆さんは、
「メイテックネクスト」
「DYMものづくり」
上記の2サービスを活用すると良いでしょう。

上手く特徴やスタンスが被らず、有益な情報収集にもなるはずです。
「メイテックネクスト」は、製造分野のエンジニア転職で実績No1を誇る転職エージェントです。

エンジニア実務経験者であれば、機械・電気・組み込み等、分野や工程を問わず幅広く対応できるという特徴があります。
ものづくり分野の皆さんは、まず第一選択としてメイテックネクストは登録するということで問題ないでしょう。
2つ目の「DYMものづくり」の方は、母体となっている「DYM就職」が20代半ばまでの若年層や第二新卒者の転職サポートを主としています。

このため、DYMものづくりにおいても、若手社員にありがちな悩みをよく理解してくれるアドバイザーが多いという特徴があります。
今後のキャリアをどうすべきかという的確なアドバイスも得られやすいでしょう。
でもどちらか片方と言われれば、私の第一選択は「メイテックネクスト」です。
アドバイザーに各分野のメーカー出身者を集めている転職エージェントなんて、メイテックネクストくらいなものでしょう。
まずは一手間を惜しまず登録して、電話・オンラインでの面談を一度は行っておきましょう。
取引している企業や、太いパイプがある企業が異なるため、お互い違った求人やキャリアの考え方を出してきて面白いと思います。
仮に転職しないとしても、皆さんがこれから働いていく上で有益な情報が得られることでしょう。
製造系専門エージェント①「メイテックネクスト」

- 製造業・メーカー企業におけるモノづくり系エンジニアの中途採用が専門
- モノづくり分野だけでなく、メーカー企業であればIT分野にも強い
- 大手エージェントと比較して、親身で丁寧なアドバイザーが多い。求職者の転職活動ペースを尊重してくれる傾向。
製造系専門エージェント②「DYMものづくり」

- メーカー企業の技術職・エンジニアの中途採用が専門
- ものづくり分野だけでなく、メーカー企業内でのIT分野の求人も強い(社内SE・ソフト・ITインフラ)
- 大手エージェントより、親身で丁寧な対応のアドバイザーが多い