「メーカー企業やエンジニア派遣会社に新卒で入社、これから設計士としてバリバリ働くぞ!」
と思ったら、なんと配属部署は生産技術部。
工程に優劣をつけるつもりはありませんが、「生産技術を辞めたい。本当は設計がやりたかった。」と嘆くエンジニアが多いのは、残念ながら事実です。
生産技術エンジニアが嘆く理由とはどのようなものでしょうか?
また、今後のキャリア、身の振りはどのようにしていくべきなのでしょうか?
実際の事例を元にお話しさせてください。
冒頭から恐縮ですが、転職を考えている生産技術エンジニアの方には、一つ注意して頂きたいことがあります。
それは、「テレビCMや駅広告で有名な大手転職サイトを、安易に使うべきではない」ということです。
と言うのも、エンジニアの転職サポートを専門とする、エンジニア専門の転職エージェントが存在するのです。
生産技術を始めとする機械系エンジニアの皆さんにとっては、「メイテックネクスト」が情報量・知見の面から見て最も適したエージェントです。
一度チェックしてみる価値はあるでしょう。
- メーカー企業でのエンジニアの中途採用が専門の転職エージェント
- アドバイザーの多くがメーカー出身者で、エンジニア特有の仕事や技術スキルに詳しい
- 大手エージェントと異なり、親身で丁寧な対応。転職を急かさないスタンス。
一度「生産技術」になると設計へ異動できない?
多くのメーカー企業において、部署異動はローテーションの一環でしばしばあります。
ですが、そのローテーションは担当製品が変わる程度であったり、基本的には同じ工程の中での異動に止まる傾向があります。
たとえば、今が生産技術部なら異動先も生産技術部内になる、ということです。
何故かどの会社も、「設計」と「生産技術」との間には大きな壁があります。
生産技術を辞めたいと考えていても、設計をはじめとする別工程へ異動するチャンスはなかなか訪れません。
つまり、生産技術部に配属された段階で、同じ会社内にいる限りはずっと生産技術部のままだということです。
「この製品を作ることに携われれば、工程は問わずやりがいを感じられる!」
「生産技術をやってみたら、製造現場に近くモノのできあがりが実感できて楽しい!」
生産技術エンジニアになってこんな風に考えられば幸せでしょうけれど、現実にはそうではなく、「生産技術?こんなはずじゃなかった」という方は本当に数多くいらっしゃいます。
手順書作成と対外交渉に追われて6年。生産技術を辞めたい28歳エンジニアの話。
昨年末ごろ、私の元へ相談にいらっしゃった機械系学科卒の28歳男性・Mさんの例を紹介します。
大学時代には卒業研究で自律走行ロボットのメカ設計を経験しており、幼少期から発明家を夢見ていたと言う好青年です。
機械を動く様子を観察したり、機械弄りしたりするのが好きだったMさんが新卒で入社したのは、減速機やギアといった産業製品を作るメーカー企業でした。
革新的な製品を世に出すぞ!と意気込んでいたところ、配属になったのが生産技術部。
生産技術と言われて始めはイメージが湧かなかったものの、初めて上司に連れられていった製造現場では旋盤やプレス機がずらっと並んで働く様子にワクワクしたと言います。
ですが実際に仕事に入ってみると、与えられる業務の大半は工程手順書(加工手順書)の作成で、Mさんがイメージしていた技術者の仕事とは異なったと言います。
何よりきつい、苦痛だと感じたのが、製造コストとのにらめっこ、そして設計部署や製造現場の荒々しい方々との間での板挟み交渉です。
設計と現場との間で板挟みが続き、このまま一生を生産技術エンジニアとして過ごすなら、エンジニアなんて早く辞めたい、転職したいと思うようになりました。
ここで、転機を迎えたのが入社6年目・28歳の春。
なんと、「持ち前の調整力と積極性を持って、現地のメキシコ人に指示を与えるリーダーをせよ」と、メキシコ工場への海外転勤指令が出てしまいました。
「生産技術を辞めるなら、もう今しかない。」と考え、Mさんは入社6年目にしてついに、転職して生産技術を辞めることを決心されました。
生産技術職を辞めたいのに辞められない、不運の起きる背景。
私が様々な生産技術エンジニアの方から聞く話をまとめると、
生産技術から設計への異動が叶いにくい背景には以下の生産技術特有の特徴があるからではないかと思います。
生産技術エンジニアの仕事内容の特徴
- 生産技術職は、現場ごとで特有かつ高い専門性が必要とされる。
- 様々な部署、立場、年齢の人たちと並行して物事を調整するため、タフで柔軟性ある人柄であることが重要。
以上の生産技術という仕事内容、そして部署の特徴から、つまり何が言えるかというとこういうことです。
- 生産技術エンジニアは、後進育成や引き継ぎが他の職種に比べて難しい。
- 会社としては、苦労して育てた貴重な生産技術エンジニアを、簡単に他工程へ異動させるわけにはいかない。
以上の事情によって、生産技術を辞めたい人にとっては「工程を変えてのジョブチェンジができない!」という壁にぶつかることになります。
努力云々の問題ではないところが悲しいところです。
生産技術担当をやめたい時、脱出するにはどうしたらいいのか?
それでもなんとか生産技術を辞めたいと考えた時、具体的にはどのような方法があるか考えてみます。
1つの案として、生産技術部と近い位置付けの「工機部」へ異動するという案があります。
業務の役割や製造現場と密接に関わるという点が生産技術部に近いことから、
この「工機部」であれば異動が叶う可能性があります。
工機部で設備を開発し、それを部品ごとに最適化して運用するのが生産技術部、といったところです。
工機部ではライン上で稼働する加工設備、組み立て設備、検査装置と言った、大型の機械類を設計する、もしくは仕様決めを行い設備メーカーとやり取りするのがメイン業務です。
工機部の主な仕事内容
- 自社で設計する内製設備の場合・・・設備自体の構想設計、詳細部品設計、制御設計など。
- 設備メーカーに委託する場合 ・・・作りたい設備で実現したい性能・動き・コストといった要求仕様の検討、システム検討など。
工機部が作った設備はあくまで社内で利用されるもので、消費者や顧客の手に渡るわけではありません。
ですが、設備という物を自ら企画・設計し、動きを検証評価して作り上げるという意味では、工機部の仕事自体は「製造設備の機械設計」であると言えます。
あくまで「生産技術から設計へキャリアチェンジする」という目的のための第一歩に過ぎませんが、工機部での設計が面白ければそのまま続ければいいでしょう。
やはり目標は「製品そのもの」の設計だと考えるなら、更に異動するか転職するかしても良いでしょう。
生産技術部から工機部への異動のためには、生産技術業務であっても治具や加工図面といった図面を書くことを少しでも経験しておいたり、設備の制御面に関する知識やイメージを持っておくことが有用です。
工機部がない、もしくは工機部への異動が叶いそうにない場合は?
自社の中に工機部に該当する部署がない、もしくはその異動希望も受け入れられずNGということであれば、
残念ですが、もはや設計業務ができる部署へ異動することはほぼないと思われます。
管理者クラスならマネジメント手腕を買われてという可能性もあるかも知れません。
しかし、メンバークラスのエンジニアとしては難しいでしょう。
つまり、ここまでの場合、今の状況に甘んじるのではなく転職していいと私は思います。
(ここまで酷くなる前でも全然いいと思いますが。)
十分転職の志望理由として成り立ちますし、生産技術職をやめたいという理由での転職の前例は沢山あります。
後の良い悪いは転職先の企業が決めることです。
生産技術職を退職する前に、やって欲しいこと
単なるツールでしかないと私自身は思っているのですが、3D-CADが使える様になっていると尚良いです。
どのCADソフトでも構いません。
生産技術部であっても、設計の出してきた図面に対して加工や組み立てといった点を考慮した図面修正を施す場合があります。
生産技術から設計にシフトするつもりで転職活動をするのなら、このような作図経験一つでもPR要素になります。
エンジニア個人個人にあった転職先の探し方
特に転職が初めて〜2回目までの場合、なるべく効率よく、失敗のない転職活動を進めるためにも「転職エージェント」の活用をお薦めします。
あなたのエンジニアとしての経験年数、携わっていた製品、どんなチーム体制の中でどんなポジションで仕事をしていたのか?などなど、
募集をかけている企業側としても
「これはマスト条件として経験していて欲しい」
「これは出来ればレベルでOK、もしくは不要」
と言う採用フィルターがいくつも設けられています。
この条件は求職者が見れる「求人票」にはほぼ掲載されていません。
面接になっても、面接官の口からはいちいち明らかにされないでしょう。
もう少し言うと、正直、
せっかく時間をかけて書いた履歴書を、見込みのない企業に送って落とされることほど、面倒で悔しいことはないです。
(新卒の就活を思い出してください。履歴書何枚書きましたか?)
「転職エージェント」はこう言う各企業の細かい求人情報を把握しており、
「見込みのある企業」「自分とマッチしている企業」を候補として挙げてくれると言う役割をしています。
生産技術エンジニアに適した、2つの転職エージェント
生産技術エンジニアの皆さんの転職活動においては、
「メイテックネクスト」
「DYMものづくり」
上記の2サービスを活用すると良いでしょう。
上手く特徴やスタンスが被らず、有益な情報収集にもなるはずです。
「メイテックネクスト」は、製造分野のエンジニア転職で実績No1を誇る転職エージェントです。
エンジニア実務経験者であれば、機械・電気・組み込み等、分野や工程を問わず幅広く対応できるという特徴があります。
ものづくり分野の皆さんは、まず第一選択としてメイテックネクストは登録するということで問題ないでしょう。
2つ目の「DYMものづくり」の方は、母体となっている「DYM就職」が20代半ばまでの若年層や第二新卒者の転職サポートを主としています。
このため、DYMものづくりにおいても、若手社員にありがちな悩みをよく理解してくれるアドバイザーが多いという特徴があります。
今後のキャリアをどうすべきかという的確なアドバイスも得られやすいでしょう。
でもどちらか片方と言われれば、私の第一選択は「メイテックネクスト」です。
アドバイザーに各分野のメーカー出身者を集めている転職エージェントなんて、メイテックネクストくらいなものでしょう。
まずは一手間を惜しまず登録して、電話・オンラインでの面談を一度は行っておきましょう。
取引している企業や、太いパイプがある企業が異なるため、お互い違った求人やキャリアの考え方を出してきて面白いと思います。
仮に転職しないとしても、皆さんがこれから働いていく上で有益な情報が得られることでしょう。
製造系専門エージェント①「メイテックネクスト」
- メーカー企業の技術職・エンジニアの中途採用が専門
- ものづくり分野だけでなく、メーカー企業内でのIT分野の求人も強い(社内SE・ソフト・ITインフラ)
- 大手エージェントより、親身で丁寧な対応のアドバイザーが多い
製造系専門エージェント②「DYMものづくり」
- メーカー企業の技術職・エンジニアの中途採用が専門
- ものづくり分野だけでなく、メーカー企業内でのIT分野の求人も強い(社内SE・ソフト・ITインフラ)
- 大手エージェントより、親身で丁寧な対応のアドバイザーが多い