ITコンサルタントは、高年収で他の業界に転職ができると言われていますが、一方で残業時間が長く激務と言われています。
しかし新卒や中途からの人気は高く、ITコンサルタントは大変魅力のある職種です。
この記事では、ITコンサルタントは実際に激務なのか、ITコンサルタントのどこに魅力があるのか紹介します。
ITコンサルタントが激務というのは事実か?
ITコンサルタントの業務は激務なのでしょうか。
10年前や20年前と比較すると、IT技術の発展や業務効率化、経営戦略など、IT技術無しでは実現できないことが多くなってきています。
そのような中で、ITコンサルタントの役割が重要になってきており、必然的に需要が高くなりITコンサルタントの業務は激務になると言われています。
ITコンサルタントに働き方改革は関係ない?
ITコンサルタントは激務と言われていますが、近年の社会的な要請である働き方改革がITコンサルタントの業務にも変化を及ぼしています。
労働基準監督署から一部のコンサルティングファームに対して指摘があったことなどから、これまでの「激務も致し方ない」という風潮から変わってきており、ITコンサルタントの労働時間が減少傾向になってきています。
たとえば、働き方の選択肢にフレックスタイム制度や在宅勤務制度、リモートワーク制度などが取り入れられ、各個人が自分の働き方をライフスタイルに応じて選択できるようになってきています。
その影響もあり、ITコンサルタントに対する見方も変わってきており年々働き方が改善されてきています。
ITコンサルタントが激務に陥ってしまう背景とは?
働き方改革で多様な働き方が、できるようになっていますがITコンサルタントはなぜ激務に陥るのでしょうか。ここでは、ITコンサルタントの仕事の特徴から激務に陥る背景について次の5つが挙げられます。
- 高いアウトプットが要求される
- 複数プロジェクトを同時に担当する
- 納期が短い
- 顧客との信頼関係構築
- 膨大な知識が必要
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 高いアウトプットが要求されるため
ITコンサルタントは顧客企業に対して、常に正確な調査結果や最適な提案が求められます。顧客企業からすれば高額な費用を払っているので、当然の要求と言えます。
そのためITコンサルタントは、顧客企業の内部情報や業界の動向、社会の情勢や競合他社など膨大な情報を集めて的確にまとめ、提案に繋げていく必要があり短期間で高いアウトプットを出すことが要求されます。
また、高いアウトプットを出すには顧客企業に関する多くの知識を習得する必要があり、勉強時間も相応に必要になってくるため激務になります。
2. 複数プロジェクトを同時に担当するため
コンサルティングファームによっては、1人で同時に複数のプロジェクトを担当することがあります。
多くのプロジェクトを担当するとそれぞれのプロジェクトに納期があり、かつ高いアウトプットが要求されるため、並行して仕事をおこなうと激務になってしまいます。
さらに、各プロジェクトに必要な知識を習得するための勉強時間も必要になってくるため、複数のプロジェクトを同時に担当すると激務になると言えるでしょう。
3. 納期が短いため
プロジェクトの納期が短いというのも理由の一つです。近年の企業戦略はスピードが要求されており、ITコンサルタントのアウトプットもスピードが要求されてきます。
短期間で高いアウトプットを出す必要に迫られ、その結果激務に陥ります。
プロジェクトの規模や企業が求める成果によっても異なりますが、早ければ1か月で要件定義からリリースという場合もあります。
4. 顧客との信頼関係構築が必要なため
ITコンサルタントは、顧客企業の経営戦略や業務効率化など、顧客企業の内部情報を熟知しなければ成り立ちません。
そのために顧客との信頼関係を構築することは大切なことです。
ただし、信頼関係は短期間で構築できるものではありません。
顧客の担当者と何度も対話を繰り返し、お互いのことを理解しあい、課題解決に向けての方向性を決めて、一緒に進めていく必要があります。
そのためには、顧客企業の置かれている状況や業界の動向などを勉強し、知識を得ておく必要があります。
したがって、信頼関係を構築するためには膨大な時間を掛ける必要があり、ITコンサルタントの業務は激務となります。
5. 膨大な知識が必要なため
ITコンサルタントはITの知識だけでなく、顧客企業に対して的確な調査と提案を行う必要があるため、膨大な知識が求められます。
ITコンサルタントは顧客企業から高額な費用を取っているため、顧客との会話で「知りません」や「わかりません」は口にはできません。
仮に「調べて報告します」と答えたところで、顧客の不満は消えません。
顧客と会話する場合は、常に顧客と同レベルかそれ以上に知識を習得しておく必要があるため、調査と知識習得のための時間が必要となり、ITコンサルタントの業務は激務となります。
しかし、ITコンサルタントとして経験を積み重ねていくことで、知識が蓄積されていくので、知識習得のための時間を減らせるようになってきます。
実際にあったITコンサルタント激務エピソード
ITコンサルタントの業務は具体的にはどのようなものでしょうか。
背景だけ見ていてもイメージが湧きにくいと思うので、実際に私が経験したエピソードを事例としてお話しします。
私がITコンサルタントとして、思い入れの深かった某X社を担当しはじめた頃の話です。
X社の取り巻く状況や業界の動向などを調査し、X社の抱えている根本的な課題を見つけ出し、その解決策をまとめてX社にプレゼンテーションを行いました。
このようなプレゼン提案はITコンサルタントにとっては日常的に行われる基本的なミッションです。
1か月程度の工数を使い入念に課題を洗い出し、抜本的な提案をした自負がありました。
しかしながらX社の反応は、
「課題の着眼点が全く違う」
「高額な費用を払っているのに、この程度の提案しかできないのか」
という、大変厳しいものでした。
夜6時から実施したプレゼンテーション後、X社から「明日のお昼までにまとめてください」と課題の山を出され、社内に持ち帰って2時間ミーティングした後、仮眠1時間で資料を作成しました。
この体験を初めてしたのは25歳の頃ですが、その後も時々このような「期待値を満たせず持ち帰り検討後、即再提案」は発生しました。
ITコンサルタントは顧客企業から高額な費用で契約していますから、当然のように質の高いアウトプットが求められます。
コンサルタントとしては費用分だけ働くどころか、費用の10倍の仕事で成果を出すくらいの気持ちが必要になってきます。
激務を後悔し、心が折れて退職する人もそれなりに多い
ITコンサルタントは想像以上の激務です。仮眠1時間で対応するなど若いうちは激務に耐えられますが、正直30代からは体力的にいつまでも続けることは困難です。
また、日々切磋琢磨する必要があり、脳をフル回転させ続けているため、疲れてしまう人も多いようです。
コンサルタント業界は、人の出入りのサイクルが早いという特徴があります。平均1年から3年で転職する人が多いようです。
その理由としては、次の3つが挙げられます。
- プライベートがない
- 健康面の心配
- 自信がなくなる
それぞれ細かく解説していきます。
プライベートがない
毎日の拘束時間が長く、繁忙期には休日を返上することもあります。そのため、プライベートはほぼありません。友人や恋人、家族との距離ができ、人間らしい生活が遠ざかってしまうこともあります。ライフバランスを重視している人には向いていない職種と言えます。
健康面の心配が生じる
業務に追われていると、寝ている間も業務のことが頭から離れません。不眠になり、慢性的な頭痛や吐き気など身体に不調が出てきます。例え、休暇を取ったとしても失った健康はなかなか戻っては来ません。健康維持を続けるためには、胆力と精神力が必要になります。
自信がなくなる
コンサルティングファームには優秀なメンバーが多く在籍しています。優秀で意識の高いメンバーの中にいることで、自分自身を切磋琢磨できればよいのですが、上手くいかないときなどは焦燥感や劣等感を抱いてしまいます。それが続くと自己嫌悪に陥り、苦しい日々が続いてしまいます。
激務なのに人気があるのはなぜか?ITコンサルタントの魅力とは
これまでの内容で、ITコンサルタントは激務であるということがご理解いただけたのではないでしょうか。
しかしながら、ITコンサルタントの業務には魅力的な面もたくさんあります。
圧倒的に年収が高い
多くの人がコンサルタントに持っているイメージは、「ずばぬけて高収入である」ことではないでしょうか。ITコンサルタントも高収入なコンサル職で間違いありません。
経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」では、ITコンサルタントの平均年収は「928.5万円」とのことで、IT関連の職種の中で最も高くなっています。
大手企業だと、年収「1000万円」を超えるところもあります。
優秀なITコンサルタントはまだまだ不足しているので、この傾向は続きそうIT技術が衰退しない限り続きます。ITコンサルタントは収入面や将来性の双方で魅力的な仕事になります。
高年収で働いていることに対し、自分の仕事はそれだけの価値があるのだとやりがいを感じられるという側面も非常に大きいです。私はそのタイプでした。
経営層の考え方が学べる
ITコンサルタントは、経営戦略や業務効率化など、企業全体に関係した課題解決をITを使って実現させるのが業務です。したがって、経営層と接する機会も多く、その考え方を吸収できるので、経営層の視点で全体を俯瞰する視野を持つことができるようになります。このような経験は、自身を成長させる良い材料となります。
また、顧客企業と一丸となり、課題解決に向けて取り組み、課題が解決した際には大きな達成感が得られるのもITコンサルタントの魅力の一つです。
さまざまな業務知識が身につく
ITコンサルタントはさまざまな選択肢から最適な方法を選んで提案することが求められます。最新の技術動向や顧客企業の取り巻く環境や状況など、常に知識や情報を吸収して行く必要があります。
また、ITコンサルタントはさまざまな企業と仕事をする機会があり、業界も多岐にわたります。
そのため幅広く業界の実情を知ることができ、経験を積むごとに各業界の知識や情報が積み重ねられて膨大な知識が身につきます。
知識量にとどまらず、ITコンサルタントの仕事を通じてコミュニケーションスキルも磨かれるため、今後の自身の大きな武器になることでしょう。
SEが後悔せずに転職するために覚えておきたいこと
SEがエンジニア職としての転職を後悔しないために、いくつか覚えておいて欲しいことがあります。
それは以下の3つのポイントです。
- SI業界(Sier企業)は企業淘汰が始まっており2極化しつつある
- SI業界は年功序列が根強く、評価が良くても大きく年収が上がることはない
- 転職エージェントを使うなら、エンジニアのスキルやキャリアに詳しいエージェントを利用する
1.SI業界は企業淘汰が始まっており2極化しつつある
SI業界はDXの追い風を受けて業績好調と思いきや、実際のところは企業淘汰が始まっています。
足元の状況を見ても官公庁にまでクラウドが普及しているのが現実で、オンプレのシステムはどんどん減らされています。
例えば富士通を始めとして早くからクラウドに取り組んでいた企業は生き残れそうですが、従来の技術しか持たない会社は利益の出る仕事を既に取れなくなってきています。
まさに2極化といって差し支えない状況が生まれています。
大手だから安心ということは全くなく、クラウド、更にその先のITの進歩や、移り変わりが激しいトレンドにフィットしていける企業を選べているかがミソということです。
2.SI業界は年功序列が根強い。評価が良くても大きく年収が上がることはない
SI業界の給与体系が「年功序列」であることは、多くのエンジニア社員にとってモチベーションが下がる事実です。
基本的にはクライアントありきの仕事内容ですから、競合他社と変わらない仕事をしているのに全然給料が違うということはザラにあります。
安易な転職はおすすめできませんが、結局のところ給料を上げるには「今より給料テーブルが高い企業に転職する」というのが最も近道です。
高評価で頑張ってるのに年10万すら上がらないというのはよくあることですが、転職したら同じような仕事なのに年70万も給料が上がったというのもよくあることです。
3.転職エージェントを使うなら、エンジニアのスキルやキャリアに詳しいエージェントを選ぶ
エンジニアの仕事を詳しく知らないエージェントは選んではいけません。
- もっと経験が活かせる企業があったはずの人が、「とりあえず経験者がほしい」という程度の企業ばかり紹介された
- もっと高待遇で転職できたはずの人が、PRの仕方を知らないがためにそこまで給料を上げられなかった
ITエンジニアは引っ張りだこですので、転職するだけなら簡単に転職できます。
せっかく転職するなら、自分の経験を必要として高待遇で迎え入れたいという企業に選んで欲しいと思いませんか?
安易に「どこかで聞いたことがある転職エージェント」を使ってしまうと安売りされてしまう原因になります。
人材業界にはエンジニアの仕事のことをよく理解していて、顧客・求職者双方を上手くマッチさせてくれるエージェントも存在します。
エンジニアの仕事に詳しい転職エージェントを選ぶことは、転職での失敗を避ける基本だと覚えておきましょう。
エンジニアの仕事に詳しい転職エージェント
エンジニアの仕事に詳しい転職エージェントを使うことは、2つのメリットがあります。
- これまでの経験を活かすことができ、転職後に必要とされる企業を見つけられる
- 年収を始め、自分を採用するために好条件を出してくれる企業を見つけられる
エンジニアにとっては転職で売り手市場な時期なので、せっかくなら好条件を出すと言ってくれる企業に転職したいですよね。
そのためにはエンジニアの仕事に詳しく、企業が求める人物像や背景を理解でき、求職者の能力を正確に把握してくれるエージェントが必要です。
技術面に詳しく、求職者へも親身に対応してくれる転職エージェントとしては以下の2社が挙げられます。
1.レバテックキャリア
IT分野の皆さんは、まず第一選択として「レバテックキャリア」は登録するということで問題ないでしょう。
特に、年収アップとスキルアップを目的とした転職においては、豊富な知見をもとに強力な力になってくれるはずです。
年収アップした求職者が7割を超えているということで、30〜40歳ごろの「転職で失敗できない重要タイミング」の方にも多く選ばれています。
もちろん、エンジニア経験者であれば20代も歓迎されます。
- ITエンジニア経験者の転職支援に特化した専門エージェント
- 保有求人7000件以上のうち、8割以上が年収600万円以上の求人(登録者の77%が年収アップを達成した高実績がある)
- 大手IT・WEB系企業からスタートアップまで幅広い転職支援実績がある
※サービス対象エリアは、関東(東京・千葉・埼玉・神奈川)/関西(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)/九州(福岡)/東海(愛知)
※レバテックキャリアではエンジニア未経験者の求人は取り扱っていないのでご注意ください。
レバテックキャリア 公式サイト:
レバテックキャリアの評判について別ページで解説していますので、エージェント選びの参考にあわせてお読みください。
2.マイナビITエージェント
新卒採用で有名な「マイナビ」ですが、実はITエンジニアの転職に特化したサービスを展開しています。
全国区のエージェントだからこその案件数・カバー率に加え、エンジニアの仕事やトレンドに詳しいというバランスの良さがポイントです。
転職サポートに登録して最初の面談では、「あれもこれも紹介されても納得感がないと思うので、本当にマッチしている企業を10社だけ紹介させてください」という分かりやすいスタンスで接してくれるのも魅力です。
- IT・Web業界のエンジニアを専門とする転職エージェント
- 技術トレンドの変化を早期にキャッチしており、的確なキャリアアドバイスが得られる
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マイナビITエージェント公式サイト:
マイナビITエージェントの評判について別ページで解説していますので、エージェント選びの参考にあわせてお読みください。