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    ITコンサルタントに関する記事一覧

    ITコンサルに学歴は必要?アクセンチュアの中途大量採用から考える

    ITコンサルに学歴は必要

    コンサル企業は一般的に学歴重視

    一般的にコンサル企業への就職・転職の際には学歴が重要視されやすいと言われています。多くの企業で、一定以上の学歴がないと面接に進めない「学歴フィルター」があることも事実です。

    しかし、どれくらい学歴が重要視されるかの度合いはコンサルファームによって異なるため、希望する企業に勤めるコンサルタントの学歴を確認してみるといいです。特に外資系や戦略系のコンサルタントは高学歴の方が多い傾向にあります。

    実はITコンサルに学歴はそれほど関係ない

    ITコンサルの場合、基本的には学歴の高さより経験・スキル、幅広い専門的な知識を求められます。実際にITコンサルとして働いている方の声を紹介します。

    ・大阪府/男性Yさん

    “IT分野だと、コンピュータ系の学科を卒業している人が就職するものだと思われがちですが、実は、文系でコンピュータとは何も縁がなかった人たちもたくさん活躍しています。

    完全にプログラマーとして特化するなら理系が向いているのかもしれませんが、IT系でキャリアアップするとなると、見積もりをとったり交渉するなど技術とは関係ない事にまで手をつける必要があります。

    そのようなコミュニケーション能力に関していえばどちらかに特化しているよりもむしろバランスのいい人材の方が好まれます。つまり、学歴や学科は問われておらず、もちろん高学歴の人もいますが中には、高卒や専門卒で活躍している人もいます。”

    引用:https://jp.stanby.com/contents/detail/itconsul/enquete

     

    ・東京都/男性Sさん

    “学歴に関する条件はほとんどないと思っています。IT業界に入った当初、ITに関しては入社してから企業が教え、必要なのは「IT以外の何に詳しいか」だといわれました。要するに”お客様の課題をどのくらい深く早く理解できるかが求められるわけで、何か一つでも詳しい業種があればそれをもとに経験を積むことができるということでした。実際、ITに関するスキルは入社後にしっかり教えていただきました。

    ちなみに大学時代に取得したIT系の資格は役に立ちましたが、それらはプログラマーやエンジニアに必要なスキルで、管理職につくためにはもっと他の経験を積む必要があります。”

    (引用:https://jp.stanby.com/contents/detail/itconsul/enquete

    このように、高学歴の人もいれば高卒や専門卒で活躍している人もいることから、ITコンサルでは学歴よりも、他に何かに特化した経験やスキルが重要視されやすいということがわかりますね。 

    ITコンサルに学歴がそれほど重視されない理由とは?

    なぜITコンサルは他のコンサルファームとは異なり、学歴がそこまで重視されないのでしょうか。その理由の1つとして、IT業界では人材の流動性が高いことが挙げられます。IPA(情報処理推進機構)の「デジタル時代のスキル変革などに関する調査」の結果によると、IT企業の2割弱、ユーザー企業に勤める1割弱のIT技術者が転職を経験していることがわかりました。(参考:https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20210422.html

    このようにIT業界は技術者が不足しています。今ではIT化を進めるために多くの開発案件が重なり、必死で技術者集めをしている状態です。そのため、学歴などより何かに特化した経験・スキルがある人をたくさん採用しているわけです。  

    ITコンサルタントを目指す上で役に立つ経験や能力・スキルについて詳しく紹介します。

    ITコンサルタントの主な業務はユーザー企業の課題に対して、ITを用いた解決策を提示することです。

    実行支援することが多いため、RFP(提案依頼書)の作成経験、要件定義の経験、基本設計の経験があると役立ち、ステップアップしやすくなります。

    RFPの作成や要件定義では、クライアントの要望を正確に捉えてまとめる力が必要になり、基本設計ではその要件をアーキテクチャに落とし込む力が必要になります。 

    とはいえ新卒採用ではITコンサルも学歴が重要視される

    これまでITコンサルタントを目指す上で学歴は重要視されないと書きましたが、それは中途採用の場合に限ります。

    新卒採用の場合は、ほとんどの場合伸びしろを評価するポテンシャル採用です。

    その場合技術や知識、経験で差をつけにくいため、特に差別化しやすい学歴を判断材料にされやすい傾向があります。

    新卒でITコンサルタントになることはかなり難しいといえます。全ての会社に当てはまるわけではありませんが、MARCH以上の学歴を持つ人が多いです。

    会社や採用方法などによってどのくらい学歴が重要視されるか異なります。

    希望する会社に勤めるコンサルタントの学歴などを働いている人のインタビューや社員紹介の箇所で事前にチェックしておくことをおすすめします。

    コンサルタント職は近年激増している

    ITコンサルに限らず、コンサルタント職に就職する人の数は近年増加しています。

    就活口コミサイトの情報によると、東大・京大の2023年卒業生の就活人気ランキングでは、トップ10の半数をコンサルタント業が占めている状態です。

    なぜこんなに年々人気が高まっているのでしょうか。まずは以下に、実際の東大生の声を紹介します。

    現役東大生のTさん

    “東大の文系の学生でコンサルを検討しない人は殆どいないと思います。官僚になるのがかっこいいという価値観は通じなくなったので東大生の就職活動では、とりあえずコンサル=『とりコン』という言葉もあります。コンサルは東大生にとって一応、進路として確認しておくべき選択肢になっていて、身近にも就職先に選んだ人がいます。終身雇用や年功序列など従来型の日本の企業文化が良いという価値観はもうないと思います。”

    これまで東大や京大の高学歴者は官僚を目指す方が多かったようですが、官僚では若手のうちはあまり活躍できず雑用なども多いようです。将来性を考えた上で、比較的はやくキャリアアップでき、報酬も高いコンサルタントを目指す人が増えています。

    また、企業からの需要が高まっていることも理由として考えられます。

    特にアクセンチュアの中途大量採用は話題

    コンサル業界の中でも特に急速な拡大により注目を集めているのが、外資系の大手コンサル会社である「アクセンチュア」です。

    2014年に5038人だった社員の数は、2021年には約3倍の約16000人に増えています。

    アクセンチュアだけでなく、他の大手コンサル会社も社員数を増やしています。

    このようにコンサルタントの需要が高まっている要因の1つとして、DXへの急速な対応が求められているからです。

    次にアクセンチュアの社長である江川氏の話を紹介します。

    “私が社長になった2015年頃、デジタル分野というのはビジネスの中でも5%に満たない状態でした。しかし、数年後には日本全体で半数を超える主流になると思いデジタルの領域で日本でナンバーワンになるという目標をたてて改革を始めました。

    今ではすでに70%を超えるまでに成長しています。デジタルをやろうとすると技術者だけでなく、デザイナーやマーケティングなど30分野くらい必要になり、女性や外国人などアート系などの多様な人材が必須になります。それぞれの分野に対応できる社員を10人ではなく、100人、200人くらい集めないとクライアントのニーズに同時にこたえることができません。

    私たちは結局、『人材のギャップ』を埋める会社で将来、企業が欲しがるであろう人材を先回りして用意することが社会貢献だと思っています。”

    (参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210611/k10013078681000.html

    コンサルタントに関する情報が増えたため実際とは異なるイメージを持つ人も多く、実際に採用され入社した後に仕事内容にミスマッチを感じて早期退職を選択してしまうという方もいます。

    ここでは実際どんな人が採用されているのか、入社後の実際の環境はどんな感じなのかを詳細に解説していきます。

    アクセンチュアは1人当たりの稼働時間制限があり、その制限内でプロジェクトの継続的な受注に対応していかなければいけません。

    そのためそれに対応できるくらいの大量の社員を積極的に採用するという仕組みになっています。

    アクセンチュアが大量採用を実施している理由を以下に詳細に解説します。

    1.プロジェクトの受注数が多い

    新型コロナウイルス流行の影響によって多くの企業で事業計画や方向転換が進み、よりDX化のニーズが高まっています。

    その中で企業が抱える課題もたくさんあるため、アクセンチュアに限らず、DX改革の戦略から実行までを支援するコンサルティング会社は多くのプロジェクトを担うITコンサルタントの採用を強化しています。

    いまだに、高い需要に対して人手が不足しているのが現状です。

    2.働き方改革による稼働時間の制限がある

    以前、アクセンチュアのスタッフの長時間労働が問題になったことがありました。

    現在アクセンチュアでは、「プロジェクトPride」という働き方改革を進めており、1人当たりの稼働時間に厳しく制限を設けています。

    1つのプロジェクトに対して多くの社員を割り当てて稼働を分散させなければいけないため、より多くの人手が必要になりました。

    3.稼働人数×人月単価のビジネスのみを運営している

    アクセンチュアの収益モデルは「稼働人数×人月単価」です。人月単価は市場の相場があり大きく上げることはできないため、稼働人数を増やす必要があります。

    先述したように1人当たりの稼働時間制限と、多くのプロジェクトの継続的な受注があるため、大量の中途採用を行っているのです。

    ここまでアクセンチュアのことについて説明しましたが、アクセンチュアに限らずITコンサル自体の需要が、急速なDX化に伴い高まっています。

    ITコンサルタント急増の背景とは?

    先にITコンサルタントを就職先として選ぶ人が増加している理由について説明しました。

    ここから先は実際にITコンサルとして働いている人の声を紹介し、現場にいるからこそわかるIコンサルの魅力についても解説していきます。

    1.企業のDX推進ブームで需要が大きいため

    新型コロナウイルス流行によって、外出規制やリモートワークが増えたため、デジタルマーケティング・プラットフォームビジネスへの対応、デジタル技術を使った労働生産性の向上などDX化のニーズが社会全体で高まりました。

    このような中で企業は、DX推進のゴールが決まらない、DX推進改革と現行業務のギャップが大きいなどたくさんの課題を抱えています。

    そのため、多くの企業の方向転換、DX改革に対する課題解決に向けて手助けできるITコンサルタントの需要が高まったのです。

    最近では、大量に中途採用を行うコンサル会社も増えています。

    2.高単価案件に恵まれビジネスとして旨みがあるため

    ITコンサルタントの収益は「新規顧客登録の人数×〇万円」という場合が多いです。

    ITコンサルタントはITに精通したコンサルタントであり、求められるスキルも高いことから単価が高く、平均的な単価は150〜200万円といわれています。

    しかし、経歴やプロジェクトの内容によっては80〜100万円などと差があります。

    会社勤務のITコンサルタントの平均年収は600万円程度です。(参考:求人ボックス|全国の仕事・転職・バイト・求人をまとめて検索

    所属する企業や在籍年数、役職によって違いはありますが、月収で換算するとだいたい50万円です。

    大手Slerなどに所属するITコンサルタントの年収は平均より高く1000万円を超えることも少なくありません。

    しかし、年収が高いということはそれだけ業務内容も高いスキルが求められ難易度が高いものが多いのです。また、ITは戦略とは異なり未知の領域と思われやすいことから、クライアントに提示する予算が多少高額であっても通りやすいということもあります。

    「ただ給料がいいから」という理由だけでコンサルタントになることはおすすめしません。

    入社後にイメージしていた業務内容とは異なり、ミスマッチで早期退職するということにも繋がります。また、それは自分のキャリアプランの崩壊にもつながります。

    3.単純に人手不足であるため

    現在でも企業からの需要に対してコンサルタントの人数はまだまだ足りていません。また、コンサル業界は離職率が高いことも人手不足の要因になっています。

    コンサルタント職は若手のうちから活躍できる機会を与えられ、そのための人材育成投資も膨大です。

    しかし、それが離職率が高い要因の1つでもあります。

    そもそもコンサル業界というのは個人のキャリアが尊重されやすく、転職すること自体が「卒業」として快く受け止められる風潮があります。

    ンサルを自分のキャリアプランの中の1つのステップとして、数年でファンドや事業会社などに転職するのは一般的なことなのです。

    同じコンサル業界でも、やりたいことができる職場やより良い待遇を求めた転職したり、上司の移籍先についていくなんていうことも日常茶飯事なのです。

    さいごに:学歴に自信がない人がITコンサルを目指すなら?

    コンサルタントは、学歴以外でも重要視される要素はたくさんあります。

    採用基準などはコンサルファームによって異なり、特にITコンサルタントでは経験・スキルを重視する傾向にあります。学歴以外で重視されるポイントを紹介します。

    自分の強みをアピールする力

    学歴は履歴書の段階で見られるものなので、学歴に自信がない人は、自分の能力の高さや経験・強みを論理的に説明できる文章力などを高める必要があります。ITコンサルは専門性が高い職種なので、豊富な知識とスキルが必要になります。そのため、面接などでも自分の経験・スキルを論理的に話せるように対策しておきましょう。

    語学力や資格

    コンサルタントを目指す上で、資格取得や高い語学力を持つことは有効になります。グローバル案件ではクライアントとのコミュニケーションが外国語であることもあるため、英語が堪能であることも非常に有利になります。

    リーダーシップ

    コンサルタントとして活躍していくためには、プロジェクトを主導できるリーダーシップが必要になります。リーダーシップを発揮した経験があれば、積極的に伝えていきましょう。

    学歴不問のコンサルファームで経験を積む

    経験・スキルが重要視されるコンサルタントを目指す方は、多くの人材を採用しているコンサルファームなどで十分な経験を積むことで、将来的には大手コンサル会社に就職することも可能になります。

    学歴以外で自分の強みといえる要素(専門的な知識、リーダーシップ、語学力など)を増やしていけば、コンサルタントとして活躍できる可能性が高くなります。

    まず何をすればいいかわからないという方は、転職エージェントに相談してみることもおすすめします。目指すキャリアに必要な経験やスキルが身につく企業を紹介してくれます。また、書類の添削や面接対策をしてくれるところもあります。

    コンサルタントを目指す上で適した能力やスキル・経験があれば、高学歴でなくても大手コンサル会社に入社し、活躍することは可能です。

    また、コンサルティング会社によっては、経験やスキルが豊富であれば大学を卒業していない高卒や専門卒の場合でも採用に至るケースがあります。

    常に高い目標を掲げ、それに向けてチャレンジし続けることが大切です。