技術者の転職に向けたサポートをしてくれるのが”転職エージェント”ですが、利用者による口コミ等を見ていると「複数のエージェントに登録したほうがいい」ということを書かれている事が多々あります。
複数のエージェントに登録するメリットは確かにありますが、使い方によっては危険な点がありますので実例でご説明します。
複数の転職サイト(エージェント)を同時利用したほうがいいと言う最大のポイント。
さて、まずはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、転職エージェントというのは私たち技術職・エンジニア職の人間が転職する際、
- 今後のキャリア形成に向けた相談、アドバイス
- 自分の経歴・適性・性格にマッチした転職先企業の候補選定
- 応募〜面接日程調整や、企業に対する応募者の推薦、給与交渉
といったことをしてくれる頼れる存在です。
新卒の頃の就職活動で言うならば「大学の就職支援コーナーのプロ版」みたいなものですね。
世の中には一般にあまり知られていないだけで多数の転職エージェントがありますが、利用する上での大事なポイントとして、
「エージェント側で自分の担当をしてくれるアドバイザーとの相性が大事。(つまり、当たり外れがある)」
と言われています。これは間違いなくそうです。
このため、1つのエージェントにのみ登録して、1人の担当アドバイザーとのみやり取りするのではなく、
複数のエージェントに登録する事で、複数の担当アドバイザーと話す事ができ、
結果として「自分に本当に合ったアドバイザーに担当してもらう!」事ができます。
信頼が持てる人かどうかと言うのは、会って話して、比較してみれば自ずと判断できるものです。
複数登録するメリット
技術職・エンジニアの方が転職するにあたり、複数の転職エージェントに登録するメリットにはどのようなものがあるのか以下にまとめました。
1.アドバイザーが技術職の仕事内容やキャリア論を理解しているか見定められる
技術職・エンジニアという仕事は、働いていると忘れがちですが専門知識が必要な職業です。
技術分野や工程によっても転職理由は違うわけですから、より仕事内容に理解のあるアドバイザーに担当して欲しいですよね。
複数登録する=複数のアドバイザーと面談する、ということになりますので、比較して任せる相手を選ぶことができます。
2.アドバイザーがヤル気を出す
そんなことある?と思われるかも知れませんが、
転職エージェントのサービスって結局は「転職希望者に職業を紹介する」サービスでしかないので各社でそう大差ないんです。
複数登録しているということを告げると、急に誠意を持って対応してきたり、こちらの話をきちんと聞いてくれるようになったりする現金なアドバイザーも実際にいます。
何にせよ、こちらとしては後悔のない転職になるようサポートしてくれればいいわけです。
3.相性のいい、信頼できるアドバイザーを選べる
転職エージェントの支援サービスというのは、人間同士のやりとりによって生まれるサービスですから、あなた自身が
「なーんか合わないな。」
「ちょっとゴリ押し感がすごくて話したくないな。」
と思うようなら止めておいたっていいんです。
複数登録してると何人かのアドバイザーと話せますから、一番自分が信頼できるであろう人を選ぶということでもいいのです。
繰り返しになりますが、「転職希望者に転職先を紹介する」というサービス自体はどこの会社も一緒です。だから、最後は人です。
複数の転職サイト(エージェント)を利用した時に起きたトラブル事例
以上のように複数の転職エージェントに登録するのは大きなメリットがあるのですが、一方でデメリットも存在します。
以下にデメリットの具体例を示していきますが、
結論としては、
複数の転職サイト(エージェント)に登録し、一度会ってこのエージェントだ!と決めたら、
そのエージェントに絞って最後まで転職活動を行う!ということです。
並行して複数のエージェントからサポートを受け続けるという事がトラブルの引き金になります。
では具体例を見てみましょう。
ケース①同じ応募先に対し、複数のエージェントから個人情報が送られてしまい印象を悪くしたケース。
モラルのあるエージェント(特に大手)であればこのようなことは起き得ないのですが、利己的なアドバイザーの中には「あなたが了承していないのに、企業に経歴書を送って売り込みしてしまう」というアドバイザーがいます。
これによって、せっかく応募していた企業に複数応募されたことになってしまい、相手から見れば失礼に当たるような行動となってしまった、、という事例です。
一方で、転職希望者ご本人がアチコチ登録している間に、どこのエージェントからどの企業へ応募していたか把握しきれなくなってしまい、結果として重複してしまうなんてこともあります。
僕もね、、ガンプラ買って積んでる間に、忘れて同じやつ買ってきちゃうことありますから、、、理解できなくもないです。。
ケース②エージェント間の競争から「嘘」をつかれ、内定を取り消しかねなかったケース。
2つの転職エージェントを登録、利用している時に起きたトラブルの事例です。
その方は、一つの転職エージェント(Aとしましょう)から紹介された企業から内定を得ており、返事を待ってもらっている状況でした。
もう片方の転職エージェント(Bとしましょう)から紹介された企業にも面接へ行こうとしていたところ、
先のエージェントAから「内定を頂いた応募先企業から、早く返事をもらえないと内定を取りけす、と連絡がありました」と電話がかかってきたのです。
その方、いやいやそんなことあるか!?と疑心暗鬼に思いつつ悩んでしまったのですが、
後のエージェントBに相談してみたところ「そんなこと普通あり得ない」「他に面接に行かせないためについた嘘でしょう」との回答。
このようなことにならないためにも、複数登録しても実際に転職活動をサポートしてもらうエージェントは一つに絞ったほうがいいでしょう。
ケース③エージェント間の競争から、応募先の貶しあいになってしまい混乱が生じたケース。
私の元同僚が転職する際に実際に起きたケースです。
元同僚は転職エージェントAとBを掛け持ち登録して転職活動を行なっていたのですが、
Aの紹介してくれた企業に対し、もう片方のエージェントBがやたらと「その会社からの退職者多いんですよ」「うちにも転職希望でよく登録されてきますよ」などと言ってくるのだとか。
勿論、紹介したエージェントAに「こんな噂を聞いたのだけど」と話しても、事実無根だと言われる。
エージェントとしては自分のとこが紹介した企業へ行って欲しいから、貶め合いのようになってしまったということです。
ですが、最終的に決めるのはあなた自身です。
後悔をなくすためにも、迷った時は自分の素直な感触を信じましょう。
最終的には「一つのエージェントに絞って転職活動する」という事が大事なポイント。
私自身も、上記のトラブルほど酷くないにせよ、ちょっとややこしくなっちゃったなと思うようなエージェント間のちょっとしたトラブルというのは経験しています。
その上で、やはり思うことというのは
- 転職エージェントの複数登録自体はOK!
- 並行して複数のエージェントからアチコチの企業へ応募することはNG!
ということです!
まあ複数登録すると言っても、2社か3社くらい登録するのが現実的でしょう。
1社だけというのはちょっとアレかもしれません。
早い段階で「あ、人によってこんなに違うんだな」っていうのを感じておくのはとても大事です。
このエージェントにしようと決めたら、他は「転職先決まっちゃいました」とでも言って断ってしまいましょう。