派遣エンジニアになる

50代で派遣エンジニアに転職して、定年まで働くための成功法則。

50代で派遣エンジニアに転職
管理人
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元派遣エンジニアで、現在は技術職の方向けのキャリアカウンセラーをしています。運営の田牧です。

50代で転職というと突拍子もない大冒険に思えますが、実際は止むを得ず、転職を考える方というのは多くいらっしゃいます。

この記事は以下のような方、もしくはそれに近いご事情の方を対象として書いています。

  • 50代から派遣エンジニアへの転職を考えているという方
  • 50代で技術職・エンジニアとして働いているが、ご都合により転職を検討されている方

私がこれまで見てきた実例ですと、

「高齢になったご両親の看病・介護のため、急遽地元へ戻る必要が生じた」

「正社員であるものの転勤続きの現状に疲れ、転勤のない会社へ転職したい」

と言ったのっぴきならない転職理由の方が多いのが実態です。

ですが、中には前向きな野心家的思考をお持ちで、

「40代以降ずっとマネジャー職だったので、最後くらいプレーヤーとして技術にどっぷり浸かって働きたい」

「夢だったロボット業界で働いてみたい」

という、胸を打たれるような熱い情熱に触れることもしばしばありました。

この記事では、50代から派遣エンジニアとして働く上で覚えておきたい基本事項を、実例も交えて解説いたします。

既に転職・退職を考えている方へ

既にエンジニアとして転職を検討中であれば、先に注意してほしいことがあります。

それは、「CMやWeb広告でよく知られた大手転職エージェントに登録してはいけない」ということです。

某R社やD社など本当に知名度が高く信用できそうに思いますよね。しかし大手エージェントにサポート登録しても、エンジニアであるあなたの転職相談を担当してくれるのは、なぜか文系出身・エンジニア未経験のアドバイザーが大半なのです。

今あなたが担当している職務や悩みは、文系出身でエンジニアの仕事に詳しくない人に伝わるでしょうか?答えはNOです。

話し上手なアドバイザーにマッチしてるか分からない転職案件を紹介され、「こんなものか」と感じながら後に引けずに転職活動を進めてしまう、、、のがオチです。

ですので、今すぐ転職活動を始めるつもりなのであれば、エンジニアやメーカー転職を専門とするエージェントを選んでください。あるいは、大手エージェントの中でも”職種ごとにアドバイザーが分担されているエージェント”でも良いでしょう。

▼機電系エンジニア&製造業の転職に詳しいエージェント例

・メイテックネクスト

・タイズ

・JACリクルートメント

◆『メイテックネクスト』製造業・メーカーへの転職を専門

メイテックネクストの紹介

メイテックネクストの特徴
  1. 製造業・メーカー企業への転職サポートが専門
  2. 機械電気・組み込み分野の求人案件は特に強い。総合型エージェントが注力できていない中小規模のベンダーもカバーしている。
  3. 大手エージェントと比較して、親身で丁寧なアドバイザーが多い。求職者の転職活動ペースを尊重してくれる傾向。

【実例で解説】50代から派遣エンジニアに転職するための志望動機

管理人
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実際に内定を獲得された、50代の技術者の志望動機をご紹介します。

「なるほど、こういう理由でも転職できるんだな」ということを実感してもらうことが、行動を起こす前には大事です。

 

以前エンジニア派遣会社で働いていた頃は、面接官として50代の技術者の方を面接することがしばしばありました。

実際問題、派遣だからって簡単に採用できるかというとそういうものではありません。

「入社したはいいものの、派遣先がない」ということになるのが最もまずいのです。

だから、志望動機の段階からしっかり見ています。

事例:終わりの見えない転勤生活、目の前に迫った肉親の介護から、転職を決断したRさん。

管理人
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組み込みエンジニアとして活躍されていたRさんは、転職を決断した時点で53歳でした。

新卒から30年、大手メーカーのグループ企業社員として勤務していましたが、その半分以上は転勤生活だったと言います。

 

元々Rさんのお勤め先の本社は、大都市と言える程度のとある政令指定都市にありました。

ですが実際にその本社技術部門で働いていた期間は数年であり、ほとんどは県外のグループ企業へ単身赴任で出向に出ていたそうです。

家族の希望もあり持ち家を購入したものの、実際にその自宅に帰ることは月に1〜2度。

50歳を目前にRさんのご両親に病気が見つかり、介護とまで言わないまでも、少なからず通院の付き添いや顔出しが増える状況にありました。

そこで会社へ願い出て本社勤務としてもらうことに成功したのですが、

「どうしても、関西のグループ企業にヘルプ出向して欲しい。期間は2年の予定。」

と、またしても、たったの一年で通達されました。

新卒入社以来30年働いてきた会社ではありますが、今回ばかりはもう無理と思えました。

断固断って、社内で負い目を感じながら働くことへの抵抗感も理由となって、Rさんはついに転職を決断されました。

50代で初めての転職活動となったRさんの転職先探し

50代から転職というと大変な気がしてしまいますが、Rさんの転職活動は想像以上にすんなり内定が出ました。

  1. Rさんの転職理由が明確であり、応募する企業が絞りやすかった。(=自宅から勤務可能で、通勤時間1.5時間以内)
  2. 組み込みエンジニアとしての保有スキルには自信があり、Python等、ここ最近の言語についても定期的に勉強していた。
  3. 景気が良くなり、中途採用が活発化しているタイミングだった。(具体的には2017年後半。今はもっといいです。)

転職先はとある大手エンジニア派遣会社で、どちらかと言えば「技術力重視」の会社です。

更に、技術力重視なだけでなく「ベテラン社員が少ない」という事情を持った企業でした。

このため、経験豊富なRさんは高待遇で迎え入れられ、年収はわずかに下がったものの700万円はキープできたと言います。

また、Rさんから入社後に感想をお聞きしたところ、

「面接の時点で、候補となる派遣先を数社教えてもらうことができ、単身赴任になる心配がしばらくないと分かった。」

「本当は車通勤できる派遣先が良かったのだけど、ちょうどいい距離で車通勤OKな派遣先がないということも知らせてもらえたので良かった。納得した上で入社したので問題なしです。」

以上のような話であり、最もポイントとしていた「自宅からの通勤」がついに叶うことになりました。

50代でメーカー正社員として転職することは可能か?

管理人
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そもそもエンジニア派遣ではなく、メーカーへ転職したいと思う方もいることでしょう。

 

なぜ管理人が派遣エンジニアをお勧めするのかということにもつながる話ですが、50代からエンジニアとしてメーカー正社員へ転職することは実情ハードルが高いです。

中途採用自体、基本的には将来の管理職候補を採用したいからという理由が大きいですし、業界・製品が違えば特有の知識を習得する時間も必要になります。

体力的にも、20代後半〜30代の方がありがたがられます。

単なる戦力不足という理由なら、それこそ派遣や委託といったOS利用を先に考えるでしょう。

ですが、中には「ある特定の知識・経験を有する人であれば、ぜひ採用したい」と考えているピンポイントな採用案件が存在することもあります。

50代ベテランエンジニアこそ採用されるピンポイント案件の具体例

ある大手モータメーカーでは、これまで事業の中核は「産業用モータ」とされていました。

しかし、同社の新規事業である自動車用モータ事業を成功させるために

「自動車業界経験のあるマネージャ層の中途採用」を大幅に実施することになりました。

今後、自動車業界においては「電気自動車」の普及が見込まれており、実際にトヨタ自動車や日産自動車といった国内カーメーカーからも部品供給の問い合わせがあったと言います。

実際のところ、自動車部品というのは大変な品質確保や安定供給能力が必要であり、業界知識ある管理職がいないことには立ち回らないことが目に見えていました。

そのため、この自動車向けモータ事業の「課長職」としての採用枠として、年齢不問での募集をかけたということなのです。

50代で派遣エンジニアに転職して、クビになることはないのか?

50代で派遣エンジニアに転職して、いきなり会社側からクビを宣告されるということはそうないと思います。

ですが正直なところ、50代で管理者クラスも担当していたような方だと、派遣先からのウケはそんなに良くないです。

理由は主に以下の2つです。

  1. 募集のポジションでは、上司が30代のプロパー社員であることが多く指示が出しにくい。
  2. 経験豊富だと時給が高い。(本人の給料と連動していることがほとんどのため。)

さらに、50代というと上述のRさんのように持ち家があり、しかも郊外というケースが結構あります。

そうなった場合、派遣先がなく待機期間が数ヶ月に及ぶことが稀にあります。

当然採用する段階ではそれも見越して、どこに派遣できるか?を考えて採用していますが、それでも派遣先の都合に左右されてしまうものです。

その場合「クビです」とは言われずとも、

「単身赴任できませんか?」「条件を緩和して派遣先探しませんか?」と言った声かけをされてしまうことになります。

結構苦しい問題ですよね。

派遣会社から条件緩和をお願いされることのある項目の一例

  • 通勤時間の増加、通勤方法の変更。
  • 業務内容(工程の変更、希望しない業界・製品)
  • 給料(派遣エンジニアの給料は時給単価と結びついていますので、つまりは「派遣先に対する料金を値下げする」ということです。)
  • 最悪の場合、希望しない地域への転居・単身赴任。