転職を考えている技術職・エンジニアの方にとって、転職エージェントの最大手『リクルートエージェント』は選択肢の一つになりやすいエージェントです。
何と言っても知名度抜群ですからね。
一般的な職種である営業職や事務職と異なり、技術職・エンジニアという職種は専門知識が多岐にわたります。
転職においても、転職を考えている技術職・エンジニアの方各々が持っている専門知識の量・深さが非常に関係してきますので、一般的な職種の方々の転職活動とは考えるべきポイントが違います。
そのような背景がありますので、このページでは”技術職・エンジニアの転職”という目線で『リクルートエージェント』の特徴とサービス内容について言及していきます。
技術職・エンジニア転職にとっての『リクルートエージェント』の5つの特徴
技術職・エンジニアの方のような転職において、リクルートエージェントはどのような特徴があるのでしょうか。
まとめると、以下の5点です。
- 技術分野の知識・業務内容に対し、詳しいアドバイザーと詳しくないアドバイザーの差が顕著
- 技術職の専門知識を抜きにすれば、アドバイザーの質はトップクラス
- 技術職の募集案件も豊富に保有しており、求職者の多種多少なニーズにも応えやすい
- 転職者サポートが充実しているが、技術職向けではなく一般的内容にとどまる
- 多くの転職者が給料アップを実現している
特徴① 技術分野の知識・業務内容に対し、アドバイザーごとに詳しさの差が顕著
リクルートエージェントは業界最古参、かつ優秀な人材が集まりやすいリクルートグループの中核事業であるため、優秀なアドバイザーが多く在籍してます。
転職するからには優秀なアドバイザーからの転職サポートを期待したいところですが、技術職・エンジニアの転職においては以下の2点を意識すべきです。
- 自分がこれまでやってきた業務内容(スキル・専門性)をどこまで理解してくれるのか
- 紹介してくれる求人案件は自分の業務経歴(スキル・専門性)とマッチしているのか
その点で言いますと、リクルートエージェントには技術職・エンジニアの仕事内容や、技術用語についての理解があるアドバイザーも在籍しているという特徴があります。
口コミ評判を見ていきますと、どうやら元技術職だったであろう方や、非エンジニアであってもメーカー企業の技術管理部にいたという方などが担当アドバイザーをしてくれたという方も複数人いるため期待できます。
が、どうやらそれは求職者全体の中でも、中堅クラス以上の技術職・エンジニアの方の担当になっているケースが多いという特徴があるようです。
同じ技術職・エンジニアの求職者の方でも、年齢が若かったり経験がニッチで募集が少ない領域だったりすると、さほど技術領域の知識に詳しくないアドバイザーが担当されている模様。
中には「設計と作図の違いも分かっていないアドバイザーが出てきて、途端に話す気が失せてしまった。」と不満の口コミも存在します。
実際、転職エージェントというのは、1人の担当アドバイザーが何人もの求職者を担当しているのが普通です。
優先順位としては、技術知識がないと満足度の高いサービス提供が難しい、中堅クラスのエンジニアが優先されるのは仕方ないことでしょう。
なお、特に地方拠点になるほど、そう言った傾向が強いという特徴もあるようです。
一方で製造業の盛んな地域、例えば大手自動車メーカーのグループが鎮座する東海地区には、技術職・エンジニアの専門分野に詳しいアドバイザーが多く在籍している傾向にあります。
特徴② 技術職の専門知識を抜きにすれば、アドバイザーの質はトップクラス
特徴①では「差が激しい」ということを書きましたが、それは技術職・エンジニアという専門領域の知識量に関しての話です。
単に転職アドバイザーとしての能力を考えると、リクルートエージェントのアドバイザーは他社サービスよりも優秀で、人数も多いという特徴があります。
この点に関しては「日本の人材サービス」では屈指のブランド力と収益性を誇る「リクルート」だからこその特徴と言って差し支えないでしょう。
実際、リクルートは人気企業ランキングでも上位に入り競争率は高いですし、それ相応の待遇です。
アドバイザーが優秀という特徴は、例えば以下のような場面で発揮されるとイメージすれば良いでしょう。
- 求職者の方との面談においては、ご本人も気付いていないような、本質的な悩み、望みを上手く聞き出すコミュニケーション力の面で。
- 求職者の方の能力を最大限活かせるのはどのような職場・環境・業務なのかを理解し、求人案件とマッチングさせる能力という面で。
- 募集企業に対する求職者の方のPRが上手い。例えば内定の獲得率アップや、転職後の給与アップを獲得する交渉力という面で。
ただし、リクルートエージェントのアドバイザーは優秀であるからこそ、一人一人厳しいノルマが課せられています。
採用が決まることで募集企業から支払われる「紹介料金」の金額がノルマとして設定されており、どうやら他社と比較してもきついノルマらしいのです。
このため、リクルートエージェントは「少々強引で、転職させようと迫ってくる」特徴があるという口コミを頻繁に見かけます。
特徴③ 技術職の募集案件を豊富に保有しており、求職者の多種多少なニーズに応えやすい
リクルートエージェントが業界最大手であることは何度もご説明している通りです。
下記の表の通り、求人募集の総保有数としては群を抜いています。
このうち、技術職・エンジニアの求人募集はおおよそ3〜4割ほどの約80,000件あり、それだけでも業界2番手である『doda』の総求人募集数と同じくらいの量を保有しています。
転職エージェントの「案件保有数が多い」という特徴を聞いて、「そんなに多くの中から選ばないし必要ないでしょ」と思う方もいるかもしれません。
この特徴が求職者の役に立つのは、例えば以下のような場面です。
- 転職して地元に帰りたいが、地方なので企業が少ない
- 転職して、未経験の技術分野、業務工程にキャリアチェンジしたい
- 経験してきた技術範囲がニッチな領域で、転職しようにも次が見つかりにくい
このような場面においては、全国区から多種多様な求人募集を獲得してきているリクルートエージェントの特徴が大きな強みになります。
案件保有数に関連する話ですが、他社サービスの場合、そもそも都市部の求人案件しかなく、サポート対象外というエージェントもあるのです。
その点でリクルートエージェントは拠点数が群を抜いて多く、関東5拠点、関西3拠点、中部2拠点とカバーエリアが広いという特徴があります。(『doda』は、関東2、関西1、中部1)
特徴④ 転職者サポートが充実しているが、技術職向けではなく一般的な内容に留まる
リクルートエージェントは転職者サポートが充実している特徴があり、評判も上々です。
- 職務経歴書の添削
- エージェントレポートの配布
- 面接力向上セミナーの開講
ただ、これは技術職向けに特化した内容というわけではありません。概ね一般的な内容で、セミナー形式に止まります。
例えば、面接ごとに「今回は設計スキルを重視したPRをするといいですよ」と言ったことをアドバイスしてもらえるわけではありません。
とはいえ、基本的な面接マナーやPRの考え方というのは覚えておいて損はないです。
技術職・エンジニア転職といった業種に限らず、新卒の就活では聞かれなかったような、転職で王道の質問というものはありますからね。
特徴⑤ 多くの転職者が給料アップを実現している
転職エージェントのアドバイザーは応募先との給与交渉も行ってくれます。
上述の通りリクルートエージェントの担当者は交渉力があり、実際に半数以上は給与アップできているという特徴があります。
技術職・エンジニア転職における『リクルートエージェント』の弱点
上記の特徴でもお伝えしましたが、リクルートエージェントの弱点は以下の2点といえます。
- 積極性があるが、担当者によっては少々しつこく強引なことがある
- 技術職・エンジニア案件の増加によって、経験の浅い担当者があてがわれることがある
どちらの特徴も「どんな担当アドバイザーがあてがわれるか?」によって左右されるポイントです。
リクルートエージェントと合わせて、もう1社くらいは併用して、登録後の最初の面談で合う合わないを比較・判断してみるのがおすすめです。
例えば同様の総合転職エージェントである「doda」や、技術職・エンジニア転職を専門としている「メイテックネクスト」「ワークポート」のどれか1社併用してみると良いでしょう。
技術職・エンジニア転職における『リクルートエージェント』の利用方法と流れ
リクルートエージェントの利用方法、登録後の流れはこのようなステップになっています。
それぞれ確認していきましょう。
ステップ1.申し込み
インターネット上のリクルートエージェント公式サイトから申し込みできます。
必要情報を入力して登録します。5〜10分ほどで完了できる分量です。
転職エージェント特有の登録項目としては、現在の企業名や職種、年収といったことも入力する点です。
一瞬、抵抗感を感じるかも知れませんが、現状が分からないことにはなんともアドバイスのしようがありません。
履歴書にも書く部分ですので嘘をつかず本当のことを書きましょう。
ステップ2.面談(or 電話)
登録が終わると1~2日程度で、面接担当の方から面談の日程調整の案内メールが来ます。
第1〜第3希望で面談の日程を送ることになり、その中から面談日程が決まります。
面談前にマイページ(Personal Desktop)で履歴書や職務経歴書の情報を入れておきます。
その後のキャリアアドバイザーとの面談は、リクルートエージェントの拠点で行われます。
初回面談での話題で多いのは下記のようなテーマです。
- あなたのキャリアの棚卸
- PRポイントの整理
- 転職するべきかどうか
- 転職するとしたらどのような企業に内定をもらえそうか
- どのように職務経歴書を書いたら通過しやすくなるか
- 転職についての要望の深堀
キャリアカウンセリングで気づくことも多く、なるべく多くのキャリアアドバイザーに意見をもらえば、考えがまとまっていき後悔ない転職をすることができるでしょう。
ステップ3.求人紹介
優秀な担当者であれば、その場でいくつか求人募集を紹介してもらえると思います。
紹介されたからといって必ず応募せよというものではありません。
アドバイザーとしても、あなたの価値観を知りたいと思っての紹介ですので、「地域が嫌だ」「どんな仕事?」「もう少し年収が高い方がいい」などなど、リクエストしていきましょう。
ここであまりに急かしてくるようなアドバイザーの場合は流されないように注意が必要です。
特に、「こっちの話を聞いてくれないな。。」なんて思うようであれば、早々に別のエージェントに登録してしまうか、思い切って担当者を変えてもらうのがいいでしょう。
ステップ4.応募・面接
職務経歴書や履歴書といったものを作成し、通過すれば面接へと進みます。
リクルートエージェントの場合、経歴書の添削サポートや面接セミナーが充実している特徴がありますので、頼っていきましょう。(私は殆どエージェントが作ってくれたような気がします。)
なお、応募の際にはエージェント担当者からの推薦文も一緒に送付してくれます。
あなたの転職の背景、境遇ですとか、どういう思いで転職活動に望んでいるのかといったことが書かれており、面接だけでは到底伝わりきらないような内容を盛り込んでくれています。
書類選考に通過すれば面接です。面接の日時設定はリクルートエージェントが全て行ってくれます。
対策してもらったことをフル活用して、力を出し切りましょう。
面接に落ちてしまった場合には、多くの場合、リクルートエージェントが人事担当者からフィードバックを受けているため、次の面接に生かすことができます。
ステップ5.内定と退職
内定が出た後は、リクルートエージェントが給料交渉や入社日の調整を責任を持って行ってくれます。
また、退職手続きについて不安な場合も、上司にどのように報告するかなど大手エージェントならノウハウを持っているので、迷うなら相談してみることをおすすめします。
人にもよりますが、ここまで一緒に話をしてくると自然に不安ごとは全部アドバイザーに相談してみようと思えるようになっていると思います。
私も初めての退職時には、上司の人柄や仕事上のタイミングといったことまで伝えて、揉めない退職方法をアドバイスしてもらいました。
【まとめ】技術職・エンジニアでリクルートエージェントがお勧めできる人
求人数が多く、優秀な担当者に当たった場合はかなり力強いエージェントですが、実際は担当者の当たり外れが多かったりと、『リクルートエージェント』 1社だけを利用して転職活動をするのはおすすめできません。
転職活動をする際は、『リクルートエージェント』のデメリットを補いつつ、併用するとメリットがあるエージェントを併用すると良いでしょう。
特にメイテックネクストとワークポートは「リクルートエージェント」と異なり技術職・エンジニア職に特化した専門エージェントですので、どちらかは併用して登録することをおすすめします。
- 95%の人が同時に併用する総合エージェント|doda
- ものづくり分野に強みを持つ技術職専門エージェント|メイテックネクスト
- IT企業をはじめエンジニア案件を得意とするエージェント|ワークポート