今回は、今まさにEV・電気自動車開発のエンジニアとして働いている濱野さんにお話を伺いました!濱野さん、お願いします。
電気自動車っていうとちょっと大げさですが、、
厳密には、電気自動車の動力源である「リチウムイオンバッテリー」の制御回路開発に携わっています。バッテリー以外は直接担当していませんが、周りの部門ではPCUやモーターを開発しているので多少の知見はあるつもりです。
それと、技術職・エンジニアの中途採用における一次面接担当を務めています。
今まさに旬の技術であるEV・電気自動車分野。
「100年に一度の大変革期」と言われている自動車業界、ニュースでもEVや自動運動の話題を聞かない日はありません。
特にEVに関しては、各国でエンジン車の販売を制限するような法規制も進んできており待った無しの様相です。
今回は現職エンジニアである濱野さんに、「EV・電気自動車メーカー(分野)への転職事情」について伺ってきました!
そもそもEV・電気自動車とは何か?
最近になってEVとか、電気自動車とかっていう名前で大騒ぎされてますけど。仕組みとしてはプリウスみたいな今や当たり前のハイブリッド車の延長戦上なので、それほど大きな違いがあるわけじゃないです。
特に中国でその規制が顕著で、2018年から施行となる法規制でエンジン車締め出し&EV車優遇が顕著となり、「エコカー戦争」が起きると言われています。
アメリカが20年以上も前から長期的に進めてきた環境対策法案が、同様に世界中でも進んでいます。
特に独フォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガス不正問題によってエンジン車への風当たりは強く、エンジン車を好む風潮が根強かったヨーロッパ各国でも規制が進むこととなりました。
EV・電気自動車の開発で日本メーカーは遅れている?
それどころか、既に各国の規制では「ハイブリッド車はエコカー対象から除外」となっています。
これだけ聞くとハイブリッド車が大量に走っている日本は遅れているように思えるかもしれませんが、実際どこのカーメーカーもEVへの転換を徐々に進めて行くことを発表したという程度で、まだこれからですね。
というのも、エンジンにしろトランスミッションにしろ、既存の自動車に積まれていた駆動系の機構って本当に難しい技術なんですよ。
性能面だけじゃなく、「このモノをどうやって大量生産するのか?」という生産技術的な意味合いでもね。
濱野さんもおっしゃる様に、自動車メーカーとしては「これから電動車(電気自動車)の割合を増やしていく」という表明をしたところで、
まさに開発が急加速していく時代に入っていくところです。
また、ベンチャー企業がEVに参入したりもしていますが、
実際彼らが販売しているのは1000万円オーバーもする様な超高級車、大衆に普及させる目的のものではありません。
世界中で普及させるためにはこれまでの産業同様、大量生産によるコスト削減で、安くてもそれなりの性能で安定品質という製品づくりが必要です。
EV・電気自動車分野はどんなメーカーが開発している?
EV・電気自動車分野の技術開発、製品開発は、自動車メーカーと、それを支える自動車部品メーカーの両方で行われています。
さらに、日本国内・海外問わず、これまで自動車業界の製品自体作ってこなかった全然違う業界のメーカーまでもが参入して来ています。
EV・電気自動車分野では主に「バッテリー」「インバータ(PCU)」「モータ」の3つの部品を、車が走行するための動力として用いるのですが、
これらは自動車産業以外の産業でもずっと使われてきた部品ですので、転用して参入する部品メーカーが増えつつあるということですね。
EV・電気自動車分野の研究開発をしている完成車メーカー
トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、SUBARU、マツダ、スズキ、ダイハツ、その他海外メーカー多数。
EV・電気自動車分野の研究開発をしている自動車部品メーカー
デンソー、アイシン精機、日立オートモーティブシステムズ、ソニー、パナソニック、パイオニア、三菱電機、ボッシュ、コンチネンタル、ヴァレオ、オートリブ、TIなどなど。。
EV・電気自動車ではどの分野の仕事がある?
EV・電気自動車技術で特に多いのは電気電子分野と組み込みソフト分野の仕事です。
機械系についても仕事自体はありますが、少し少なめです。例えばモーターなんかは構造自体は機械ですし、バッテリーパックも発火の危険がある部品なので厳重な構造部品設計が行われています。
EV・電気自動車メーカーへの転職について
アナログ系の開発者って年配の方に多いですし、どんどん定年退職されていかれることを考えると追いつかないくらいじゃないでしょうか。
EV・電気自動車分野の転職事情としては、応募者<募集数というのが実情です。
特にEV・電気自動車事業をやっている部品メーカー(サプライヤ)においては、
「(お客さんである)完成車メーカーがうち以上に強力な採用をしていて、どうしても応募者がそちらに流れてしまう。」という嘆きの声が聞かれます。
一般社会に浸透して「電気自動車が当たり前」となるには、大きな課題である走行可能距離(航続距離)をさらに伸ばして行く必要性に加え、
普及モデルである例えばカローラやフィット、はたまた軽自動車までが、ごくごく安い値段で購入できるようにならないといけません。
そこに至るまでは、この開発競争や採用強化は続いていくものと想定されます。
EV・電気自動車メーカーへの転職は未経験者でも可能?
こういう仕事は派遣エンジニア始めとした外注さんや若手の方にも任せやすい、まあ言ってしまえば人海戦術の仕事です。
実際、派遣エンジニアの方や請負業者さんが僕の勤め先にも沢山いますよ。エンジニア派遣会社の新入社員の方も結構受け入れてますね。
メーカー企業の中途採用というのは基本的に即戦力の採用で、異業界からの転職者でも数ヶ月で強い戦力になるのが見込んでの採用が殆どです。また、この先の将来も長く活躍してくれることを見越しての採用です。
それでも業務量は増えるばかりなので、派遣エンジニアも多く関わっています。
エンジニア派遣会社各社の採用ページを見ると「若手社員へのインタビュー」がよく掲載されていますが、やはりEV・電気自動車分野で働いていると書いている記事が目立ちます。
もし技術職が未経験だけど将来性ある技術を身に付けたいということであれば、
技術研修がちゃんと整備されているエンジニア派遣会社からスタートするのが近道でしょう。
これが普及するためには社会インフラまでも巻き込んで行く必要があり、時代の流れを如実に感じながら仕事に励めるということがエンジニアとしての楽しさや誇りに繋がります。
ぜひ、一緒に「未来の新しい社会づくり」をやって行きましょう!