今の仕事を辞めたいと思っても、転職活動に対して新卒時代の就活を思い出してしまう方は多いと思います。
正直、面倒だし辛いし、二度とやりたくないと思うのも無理はありません。
特に、転職を考える年齢層の方には、リーマンショックで就職氷河期に陥った2008年〜2012年ごろに新卒入社した方が多いことでしょう。
転職活動に二の足を踏んでしまう理由といえば、まずは企業に用意すべき「履歴書」の存在が挙げられます。
さらに転職活動では、履歴書の付け足し要素として「職務経歴書」というものも書く必要があります。
初めて転職活動をする人にとっては、職務経歴書を書くのは相当に大変な作業だと思います。
何しろ、これまであなたの仕事を言葉にして、しかも整理して書かなくてはならないのですから。
そんな転職活動自体に抵抗感を感じてしまう人のための、本ページは「入門編」です。
転職が初めての方にもわかるよう、ある程度シンプルな考え方、かつ抜け漏れがないよう書きました。
エンジニア転職にとっての職務経歴書の位置付けと書き方
特に決まった書式があるわけではなく、履歴書は市販されていても職務経歴書は売っていないことがほとんどです。
職務経歴書というのは、特に決まった書式があるわけではありません。
代表的な書式というものはありますが、必ずしもそれらを雛形に作成する必要もないわけです。
ということは、あなたが自由に表現して良いということになります。
では、書式も決まっていない職務経歴書を企業があなたに提出を求めるのはなぜでしょうか?
つまり職務経歴書の立ち位置というのは、
- あなたがどんなことをしてきて、
- 何ができる人なのか、
- 私たちにわかるように教えてください
ということだと、私は理解しています。
もっとストレートに言うと、「当社にあなたの魅力を売り込んでください、PRしてください」と企業は考えているのだと思います。
すなわち、職務経歴書とは「あなたを売るための営業ツール」です。
エンジニアにとっての職務経歴書の書き方メソッド
前述の通り、「職務経歴書は自分を売り込む営業ツールだ」と思えば、
職務経歴書をどのように書けばいいかもイメージしやすくなると思います。
つまり、求人企業があなたに「会ってみたい」と思ってもらえるように書けば良いのです。
相手のニーズを捉えて、あなたがそのニーズを満たす人物だとわかるようにすればOKです。
エンジニア職の職務経歴書を書くための「企業ニーズ分析」の必要性。
例えば、大規模プロジェクトのPMの募集であれば、
おそらく求人企業側は以下のような人を採用したいと考えることでしょう。
- 大規模システムの導入プロジェクトに参画したことがあり、
- マネージャーとして部下の管理経験があり、
- スケジュールや予算管理の経験があり、
- 複数の利害関係者の意見を調整できる人。
さらに、ERPパッケージを導入している企業の社内SEの募集であれば、以下のようになりそうです。
- システムの要件定義の経験があり、
- 同社が導入しているERPパッケージ導入経験があり、
- システム開発だけでなく運用まで経験している、
- もしくは運用にも気を配ることができ、
- 複数の利害関係者の意見を調整した経験がある人。
あなたが応募する企業、そしてその職種で求められる条件をよく理解した上で職務経歴書を用意し、
「自分にはその職を引き受けるだけの知識や経験がある」
このように評価されれば、書類選考をパスすることができます。
エンジニア転職における、職務経歴書の具体的な書き方を解説する
「会いたいと思わせる職務経歴書を、自由なフォーマットで書きましょう」と言われると、
大半の方は余計に困るだろうと思います。
何をお手本にして書いたらいいのか、何か具体例をくれよ!ってね。
そう言うわけで、ここからはエンジニア転職における職務経歴書の書き方を具体的に説明していきます。
職務経歴書には大きく二つの形式があると言われています。
1つは「編年体式」と言って、あなたのこれまでの経歴を時系列に並べていく方法です。
もう一つは「キャリア式」と言って、あなたのこれまでの経験を、担当業務や領域ごとに分類して記述していく方法です。
例えば、システム開発と運用の双方の経験がある人の場合は、
「システム開発」と「システム運用」で分けると言うことです。
あるいは、開発経験の傍らでセールスエンジニア(営業に同行して技術的な観点から自社の提案活動に携わる仕事)をしている人の場合は、
「SE」としての経験と「セールスエンジニア」としての経験に分けると言った分類方法です。
特定領域の強みをアピールしたい人や、職歴の多い人にオススメとされている形式です。
ちなみに、私は編年体式をお勧めします。
と言うのも、編年体式の方が一般的であるため、書類選考をする側は時系列の職務経歴書を読み慣れていると言う、ただそれだけの理由です。
皆さんの採用ジャッジをする面接官や人事担当者の頭の中が、「時系列に」経歴書を見ていくように組み込まれているのです。
ですので、たまにキャリア式の経歴書を目にすると、逆に読み解くのに時間がかかってしまうこともあるのです。
「この候補者は、一番最近は何してたんだろう?」
「そもそも、今はどこの会社に在籍しているんだっけ?」
と言ったことまで読み解かなくてはないするとません。
また、無事書類選考を通過し面接に進んだ場合、面接官は職務経歴書を見ながらあなたの話を聞いています。
大抵、面接官から「ではあなたの経歴を簡単に紹介してください」と促されます。
そうすると99%の人が
「学校を卒業して最初に入社したA社では、、、」
と、やっぱり時系列で話をし始めるのです。
そうすると、経歴書はキャリア式で分類されて書かれているわけですから、面接官は「ん??そのことはどこに書いてあるんだ?」と気になってしまいます。
気になると、面接に来ているあなたの話している内容がうまく頭に入ってきません。聞き流されてしまうのです。
あなたはあなたで、
「えーと、2011年、あれ、2013年だっけな、、、」
「最初の会社を退職して、その後A社に写り、、」
と、あやふやなことを言い出しかねません。
実際、私が面接に同席した際に何度か目にした光景です。
別の理由もあります。
SEの皆さんは大体の場合、「プロジェクト」単位で仕事をします。
そうすると、わざわざキャリア別に分けなくても、プロジェクトが一つの記述単位になっているので、すでに分類されているのと同じ効果が得られます。
職務経歴書の構成
職務経歴書には、編年体式とキャリア式があると説明しましたが、
これは「職務経歴」の書き方を指しています。
それ以外にも、職務経歴書を構成する要素がいくつかあります。
例えば、「自己PR」や「志望動機」などが挙げられます。
ここでは、私のオススメの構成で話を進めていきます。次の5つの構成で書くことがオススメです。
- 職務の要約
- 活かせる知識・経験
- 職務経歴の全貌
- 取得資格・語学
- 自己PR(志望動機)
このうち、自己PRは志望動機に替えても構わないと思います。
それぞれの構成要素について簡単に解説してみます。
構成要素① 「職務の要約」は多忙な現場マネジャーの目を引くためにある。
あなたが応募した書類を元に、書類選考するのは誰だと思いますか?
人事の採用担当者でしょうか?
もちろん、人事は書類選考のプロセスに参加しています。
人事では、例えば転職回数の多い人に対し、「キャリアに一貫性があるかどうか」と言った観点で選考しています。
一方、あなたの経験が募集職種で期待される業務内容にマッチしているかどうかとなると、あなたの経歴を詳細に評価するのは「現場のマネジャー(課長クラス)」たちです。
つまり、人事や採用のプロでもない人たちが、本業の開発業務が忙しい合間を縫って、皆さんの書類に目を通しているのです。
ですから、実際のところ応募してきた全ての転職希望者の書類をじっくり読む時間はありません。
そこで、あなたの職務経歴書の冒頭に「職務の要約」があると効果的になるのです。
職務の要約とは、「あなたがこれまでの仕事で経験してきたことを短い文章で表現」しているものです。
職務の要約の注意点
職務の要約を書く際、次のような書き方をしないよう気をつけてください。
「2012年に〇〇システムに入社し、プログラマーとして勤務していました。
2016年9月に転職し、現在は▲▲ソフトウェアに転職し、SEとしてCRM関連のシステム開発をしています。」
これも確かにようやくなのですが、どちらかというと社歴になってしまっていますよね。
「どこの会社に何年いたか」という話ではなく、
「どんな仕事をしてきたか」「何ができるか」について、コンパクトにまとめるのが「職務の要約」です。
そして、この要約の中にいくつかのキーワードを埋め込むのです。
あなたがWEBベースのSE職に応募するのであれば、WEB系のキーワードを入れておけばいいですし、
ERPソフトのコンサル職に応募するのであれば、基幹系システムやERP関連のキーワードを交えて文章を作ると、書類選考担当者の目に止まりやすくなります。
「職務要約は、アイキャッチのツール」と思って、簡潔にあなたの仕事の経験を表現してみてください。
構成要素② 「活かせる知識・経験」で自分のスキルを一言で表現する。
編年体式で表現する職務経歴は、あなたの「してきた仕事」を表現するものです。
一方、「活かせる知識・経験」では、「あなたができること」をアピールするものです。
例えば、使える開発言語やデータベースといった技術的なこと、参画した経験のあるシステム開発フェーズ、あるいは会計やSCM、CRMと言った業務領域について書いてみてください。
そして、そう言ったテクニカルスキルだけでなく、コミュニケーションやマネジメント経験について触れておくことも効果的です。
先に書いた「職務の要約」は文章表現の形式ですし、次の職務経歴の欄では表形式をとります。
ですから、「活かせる知識・経験」では、あえて箇条書きの形式で視覚的効果を高めるのが良いでしょう。
箇条書きでキーワードをたくさん盛り込めば、書類選考の担当者がさらに先に読み進めてくれる可能性が高まります。
具体的な「活かせる知識・経験」欄の書き方
例えば、以下のような具合で箇条書きにしてみてください。
- 要件定義から開発、テストまでの一連の作業経験
- 基幹システムの開発経験と業務知識(財務会計、貿易取引、SCM)
- SAPによるシステム開発経験
- Javaプログラミング、Oracleデータベースに関する知識
- クライアントとの折衝経験(仕様決定、設計時点での仕様変更、進捗報告)
- チームリーダーとしてのメンバー管理経験
重なったとしても、職務要約と活かせる知識・経験は両方とも書いておくことをお勧めします。
キーワードが多く見えれば、担当者からみてもパッと見てなんだか大丈夫そうな感じがして書類通過しやすくなる、そういうものです。
構成要素③ 「職務経歴」は単なる説明?自分をアピールする書き方のコツ。
SEの職務経歴書では、次のような書き方をよく目にします。
これまで参画した開発プロジェクトが、時系列に同じような書式で続いていきます。
もちろん、こうした書き方をしていても、求人企業がそこから読み取れることはいくつもあります。
例えば、「SCMの導入経験があるんだな」「要件定義も経験あるんだ」「LinuxやOracleno環境での開発経験があるのね」「管理経験はあまりない人かもしれないな」と言ったことです。
ただ、何年ぶん、そして数多くのプロジェクトがこのように記載されていたら、だんだん読む気を失うか、印象が残りづらくなるのではないかと思います。
上述の例というのは、いわば「事実」の記載と言っても良いわけです。
事実は大事です。きっちり書くことをお勧めします。でも、事実ばかり見せられても、あなたという人のイメージが浮かんできませんよね。
事実だけ書いても明らかにならないことがあります。
それは、「リアルなあなたの活躍ぶりがイメージできる部分」が明らかにならないのです。
次のような経験はありませんか?こういう風に書き出すことを「棚卸し」というんですよ!
「事実」の列挙では伝わらない「利害関係の調整スキル」の説明
- 画面の使用をクライアントに説明したら、使いづらいとクレームがついた。
- チームリーダーに、仕様変更のリクエストを受けたことを伝えると、複数の画面で利用する共通機能だから、変更できないと言われた。
- でも、変更できないとクライアントに伝えても、きっと納得してもらえない。
- 他のメンバーに、クライアントから同じようなクレームを受けていないか聞いてみた。
- すると、他にも二つのチームで同様のクレームがあったことがわかった。
- 顧客のリクエスト通りに仕様変更した場合、共通機能修正にどの程度の工数がかかるか見積もってみた。
- 此れを以てプロジェクトの全体会議で、顧客のリクエストに応じた仕様変更を、修正工数を含めて提案したところ、多少の反論はあったが受け入れられた。
こうした経験を、数行にまとめてプロジェクトの経験に書き加えてみると、きっと事実を超えたリアルなあなたの活躍ぶりが伝わるはずです。
これで営業ツールとしての職務経歴書らしくなってきたと思いませんか?
ニーズに応じた書き方ばかりが重要なのではありません。
あなたのこれまでの経歴のクラマックを表現することも、職務経歴書を書く上でとても重要なポイントになります。
あなたが仮に10近いプロジェクトを経験してきていたとしても、それぞれのプロジェクトで得たものは違うはずですし、自分を大きく成長させたプロジェクトが必ずあったはずです。
それこそ、あなたの経歴上のクライマックスなわけです。
さあ、その時の経験を先ほどと同じ要領で書き出してみてましょう。
そしてそれをコンパクトにまとめて、職務経歴書に反映してみてください。
あなたが仕事に対して持っている情熱が、きっと職務経歴書の上に表れてくるはずです。
全てのプロジェクトに対して、具体的なコメントを入れる必要はありません。
求人企業が求めている知識や経験に近いものにフォーカスし、そして、あなたの経歴のクライマックスについて詳しく書けば十分です。
別の視点で考えてみると、職務経歴にあなたを100%表現する必要はないことがわかります。
職務経歴書の目的は、書類選考をパスすることです。
言い換えれば、「この人の話を聞いてみたいな」と思ってもらえば良いわけです。
100%のパワーを出すのは面接の場です。
職務経歴書は、言って見れば映画の予告編です。
厳密にはずいぶん違いますが、「お、この映画見たいねー」と思わせればいいのと同じなのです。
ですから、あなたの経験をそれこそ自分史を見せるかのように書いてしまったら、会う必要がなくなりますよね。
というか、読むのに疲れてしまいます。
事実だけが記載されているさらっとした職務経歴書も良くないのですが、A4の紙が5枚も6枚もなるような職務経歴書は会う気を失います。
職務経歴書は面接官の「質問ネタ」になる
職務経歴書は、面接の際に面接官があなたに質問をするときの元ネタになるのです。
この観点から言っても、あまりだらだらと書いても質問しにくいだけなので、簡潔にまとめるのが良いことになります。
相手の質問を引き出すためには、職務経歴書にキーワードを散りばめるのが効果的です。
例えば、上場企業の社内SEに応募するのであれば、「内部統制」や「セキュリティポリシー」に携わった経験があれば、ぜひ書いておくと良いでしょう。
詳細に書かなくても、必ず面接で質問されると思います。
逆に、自身のないことは書かないほうが無難です。面接で突っ込まれてしどろもどろになることが間違い無いのですから。
構成要素④「自己PR」でコミュニケーション能力と書いてはいけない。
次に「自己PR」欄です。
ここで皆さんにお聞きしたいのですが、自己PR欄に「コミュニケーション能力」と書いている人に、本当にコミュニケーション能力があると思いますでしょうか?
おそらく多くの採用担当者は、自己PR欄に書いた「コミュニケーション能力」という記述を読み飛ばすことでしょう。
一部の担当者は「この人何を根拠に”自分にコミュニケーション能力がある”って言ってるんだろう。ちょっと突っ込んでみるか。」と思うかもしれません。
コミュニケーション能力という言葉は非常に抽象的な言葉ですので、実際にあなたが何らかコミュニケーション能力があるところを他人が見て、それで勝手に判断することです。
自分で言うのはちょっと難しいと言いますか、納得感を持たせられないんですよね。
ですので、この自己PR欄に書くべきは「具体的なエピソード」を書くことをおすすめします。
例えば、開発プロジェクトにおいてクライアントとの関係がギクシャクしている中で、あなたがクライアントとの窓口になって連絡会を的的に開催することで関係を好転させたとか、そう言う具合です。
自己PR欄は「さりげなく、謙虚に」がポイント
ここまで「自分の強みをアピールしろ」とか、「自分の成果を具体的な事例を挙げて示せ」などと説明してきましたが、ここで一つ注意してほしいことがあります。
ライフスタイルもワークスタイルも欧米化しているものの、
私たち日本人は「謙虚の美徳」と言うべきか、自慢話が好きではありません。
例えば次の文章まで書くとやりすぎと言うことです。
「基幹システム構築プロジェクトに10名の部下を持つリーダーとして着任しました。
持ち前のマネジメント能力を発揮し、チームを1つにまとめあげ、粘りつよくコミュニケーションをとることで、プロジェクト内の問題を次々と解決していきました。
その結果、停滞していたプロジェクトを見事成功へと導きました。
おかげで社長賞を受賞し、クライアントからもお褒めの言葉をいただきました。」
これは私の作文ですが、実際にこれに近い自己PRを書いてくる人が多く見られます。
これまでの経験から言うと、採用担当者は、あまりに強い調子の自己PRを評価しない傾向があります。
おそらく、これは言葉遣いの問題だと思うのです。
とはいえ、言葉の端々にその人の本質が出るので、採用担当者はそこに反応してしまうのだろうと想像しています。
例えば、上述の文例で言うと、「持ち前のマネジメント能力」と言うフレーズがあります。
「コミュニケーション能力」は自分で言うことではないと言いましたが、「マネジメント能力」も同じことです。
そしてもう一つ、「持ち前」と言う言葉です。
本人はつい使ってしまったのだと思うのですが、そこにはその人の深層心理が現れているのですね。
自信過剰な人は敬遠されます。
ですので、成果について触れるときは、逆に淡々と書いた方が好印象ですし、リアルさを伴った迫力が感じられるようになります。
自己PRできるものがない、、そんなときどうする?
「僕は、他人のようにアピールできることがありません。
職務経歴書に、自分の強みや自分の成果を書けば良いと言われても、そもそもそんなものがないんです。
どうすればいいでしょうか?」
と言う相談を、今までに何度も受けたことがあります。
言われると、内心ではかなり共感してしまったりします。
そこで、アピールできるものがないときどうすればいいのかをちょっと考えてみます。
まず、あえて厳しいことを言えば
そもそもアピールできることがないと思い込んでいることが問題です。
どう問題かと言うと、そんなことを思ってしまっては、これまでどう言う態度で仕事をしてきたのかと問われてしまいます。
「漫然と仕事したんじゃないですか?」と言われかねません。
そして、アピールするものがないと言うことは、自分を売り込むことができないはずです。
それなのに転職しようとしていることが問題です。
転職活動というのは、言って見れば自分を売り込む営業活動です。
自己PRは自分を売り込む営業活動
例えばあなたの会社に営業マンがやってきて、「この製品は大したことないんですけど、よかったら買ってください」と言ってきたらどう思いますか?
その製品を買わないばかりか、「この人、なんだ??」とちょっと疑念の目で見てしまいませんか?
それと一緒です。
だから、売り込むためには無理にでもアピールする必要があります。
アピールするものがないと考えている人は、自分を相対的に評価している可能性があります。
「僕はうちの会社のできる社員たちに比べて、大したことはできないよ」と思っているのかもしれません。
でも、相対的に考える必要はないのです。
あなたの強みを言え、と問われているのですから、あなたの中で特に強みとなりそうなところをアピールすればいいのです。
例えば、こんなことがアピールになります。
「自分は何が得意か(自分としてはでOK)」
「仕事で一番頑張ったことは何か」
「自分は他人からどこを褒められることが多いか」などを考えてみてください。
数は少ないかもしれませんし、思い浮かんだとしても、自分の中では「とは言え、やっぱり大したことないな」と卑下してしまったりするかもしれません。
でも絶対あるはずです。
そして、決して「大したことない」は思わないようにしてください。
そうやって思い浮かんだあなたの強みを、具体的な形で職務経歴書に書いていけば良いのです。
多少控えめでも構いません。控えめなあなたは、きっと職務経歴書全体が控えめなはずですから、その中では目立っていることでしょう。
構成要素⑤ 「志望動機書」の3点セットを抑える
応募する企業によっては、「志望動機書」の提出を求められる場合があります。
また、特にそうした書類を求められなくても、職務経歴書に志望動機を記載することは効果があります。
とりわけ、いわゆるキャリアチェンジとなるような転職の際は、この志望動機が大きな意味を持つことになります。
採用担当者は、志望動機から何を読み取ろうとしているのでしょうか?
おそらく、
「求職者が自社、あるいは自社の所属する業界、そして志望する業種についてどの程度理解しているのか」
「誤った認識に基づいて応募してきていないか」
「自社の会社に入社したという熱意はどの程度か」
といったことを評価しています。
そうした採用担当者側の評価基準を考えると、志望動機には少なくとも次の3点が含まれていることが必要です。
- あなたがこれまでしてきたこと、達成したこと
- 応募企業や応募職種に対する認識
- あなたが応募企業や応募職種に適性がある理由
この上述の3点がロジカルに結びつき、かつ、随所に応募企業への強さを感じさせる文章が書ければ、あなたの志望動機書は高く評価されることでしょう。