この記事では、理系の大学を卒業後に派遣スタッフとして働くことを検討中の方へのまとめとアドバイスを書いています。
「派遣スタッフ」と言うと、事務職や工場でのピッキング作業などをイメージしがちです。
しかし、派遣スタッフの募集には、理系学問を活かした仕事、理系大学を卒業していることが優遇条件になる仕事が沢山あります。
配偶者の転勤や親御さんの介護、はたまた就活が上手くいかなくて「とりあえず派遣でいいから、それなりの仕事に就きたい!」と言う方まで、
理系技術職の派遣スタッフについての正しい知識を取り入れて、選択肢の幅を広げましょう!
理系大卒向けの派遣社員の求人内容
せっかく理系大学を卒業したので、この知識を活かした仕事で派遣に出れないだろうかと考える人は一定数います。
私がキャリアアドバイザーとして働いている中で聞く話では、以下の理由で派遣への応募を考えられている方が多い印象です。
- 家庭やプライベートの都合で、長期的に正社員として働くのは難しい。
- 家庭の都合で時短勤務したい。
- 大学卒業後にエンジニア以外の職種に就いたため、最後に学んでからブランクがある。
また、全国数ある「技術系の派遣スタッフ・派遣社員」の募集案件には以下のように幅広い募集が存在します。
- 業務内容の面で、派遣といえど理系大学出身者の方が向いている案件。
- 短期的に人を増員したい都合で、正社員より派遣を利用したいと言う案件。
- 難易度としては作業レベル〜プロフェッショナルレベルまで様々。
ある程度先々のことを考えた上であれば、応募しても良いでしょう。
ただし!
数ある募集の中には、同じ作業のルーチンワークで、キャリアアップの観点では不利な仕事もあります。
闇雲に応募してしまう前に「理系大卒向きの派遣社員募集にはどういうものがあるのか?」を事前に下調べしておくとGOODです。
理系大卒ってどんな学科のこと?
あえて書く必要もないかもしれませんが、この記事で言う「理系大卒」とは、
例えば「工学部」「理学部」「応用生物学部」「農学部」「食品栄養学部」といったものです。
主に物理学・化学・生物学・数学を中心とした応用学問を学ぶ学科の卒業生に対し、向いている派遣の仕事は何かということを説明していきます。
理系大卒(理系技術職)向けの派遣スタッフの種類
そもそも大学が理系卒だとか、仕事内容が理系技術職だとかに関わらず、「派遣」と言う仕事は大きく二つの形態に分類されます。
パターン1.派遣会社に「登録」して、半年〜3年程度の短い期間だけ働く。
一般的な派遣のイメージはこちらです。
派遣会社に「スタッフ登録」して、あなたが働きたいと思う条件に見合う募集案件を紹介してもらって、派遣先に働きに行きます。
事務員さんとか、製造工場でのピッキング、はたまたコンサート会場の物販スタッフや警備スタッフのような作業をイメージしがちですが、
実は理系の知識や技能が必要となる仕事も沢山存在します。
あくまで派遣会社に登録されているだけなので、「正社員」ではありません。
なので派遣されている期間だけ、働いた分だけ時給制で給料が支払われます。
また、働くことができる期間は派遣法によって「一つの事業所(正確には部署・同一業務)で最長3年まで」と決まっています。
何らかの事情で短期間だけ働きたい、短時間だけ働きたいという場合にはアリですが、一方で成長しづらくキャリアアップに繋がりにくいという特徴があります。
パターン2.派遣会社の「正社員」として雇用され、長期間に渡り働く。
こちらは知らないとなかなかイメージが湧きにくいかも知れません。
派遣という仕事は、前述のパターン1のような「登録型」と、パターン2の「正社員型」に分かれます。
正社員というのはつまり、「派遣会社の正社員」として雇用され、各企業へ派遣されるということです。
仕事自体は派遣スタッフとして行うわけですが、雇用形態は「正社員」ですので以下の大きな特徴があります。
- 派遣されていない期間(待機期間)も給料が支払われる。
- 社会保険をはじめとした福利厚生が整っている。
- なるべくは長期的な就業と、キャリアアップ・成長が求められる。(当然、その機会は派遣会社側が用意しています)
特に上述の①の通り、待機期間も毎月の給料が支払われるというのは大きなメリットです。
その待機期間中は③の通り、自分がより必要なスタッフとして成長するための「勉強期間」とされており、これも仕事の一環として扱われているのです。
勉強期間には派遣会社が用意しているトレーニングセンター(研修センター)で研修を受ける場合と、自宅で学習をする場合があります。
ある程度、安定的に働きたいという場合にはメリットですが、登録型のように短期間だけちょっと働きたいという場合には小回りが効きにくいので不向きです。
理系大卒(理系技術職)の仕事内容
派遣といっても、上述の通り雇用形態で「登録型」と「正社員型」に分かれますが、実際に理系大卒の派遣での仕事とはどんな仕事かわからないとイメージつかないですよね。
ざっくり分類すると、
- 機械系
- 電気系
- 組み込みソフト系
- 化学系
- ITインフラ系
- ITソフト系
といった具合で分かれます。
つまり大学の学科の分類そのままに仕事があるというイメージですね。
この分類の中にも難易度によって様々な仕事がありますので以下で説明していきます。
理系技術職の派遣スタッフの中でも、比較的カンタンな仕事。
理系技術職の派遣スタッフ募集の中でも「比較的カンタンな仕事」というのを分かりやすくいうと、
- 派遣スタッフを募集している背景が「ちょっと手伝って欲しい!」という温度感の仕事。
- やることがだいたい決まっていて、ルーチンワーク化されているけど量が沢山ある仕事。
- 実のところ文系出身者でも、少し勉強してやり方を覚えればできる仕事。
といったイメージです。
家族の転勤の都合とかで短期的に働く為とか、とにかく何か理系の技術的な仕事に就きたいというはじめの一歩という意味では、これらの仕事がマッチしてきます。
上述の派遣の働き方パターンでいうと、パターン1(登録型派遣)の方にこのような業務が多いです。
中にはパターン2(正社員型派遣)でも、これらの仕事を紹介してくる派遣会社もあります。
が、仕事内容はルーチンワークであり、頭を使って考える要素が少ないという側面もあります。
「正社員として腕を磨いていきたい」「手に職をつけて食えるようになっていきたい!」という場合には長く就きたくない仕事でもあります。
具体的に例えば、
- 依頼者の指示通りに図面を書き写す。(CADオペレーター、トレーサーなどと言います)
- 試作品を試験機にセットし、マニュアルで指定された数値を測定する。
- 試作品が想定仕様通りに動くかどうか、マニュアルに沿って動作チェックを行う。
といったようなものです。ルーチンワークであり、測定したデータから何が言えるかを考察するといったことは社員が行います。
理系技術職の派遣スタッフの中でも、勉強や努力が多く必要になる仕事。
理系技術職の派遣スタッフ募集の中には、派遣だからカンタンなものというわけではなく「勉強や努力が多く必要になる仕事」も多く存在します。
具体的には例えば、
- 図面を書くだけでなく、性能仕様を満たすように、部品の寸法、形状を設計する。
- 測定したテストデータから、どのような箇所に不具合がありそうかを特定する。更に設計修正まで自分で行う。
派遣先の正社員として働いている技術職の方々とさほどやる仕事内容は変わりません。
こういった仕事は一見ハードルが高いように思えますが、長期的に理系技術職でスキルを身につけて働いていきたいという場合、まさに「手に職をつける」ことになる仕事です。
このような仕事は「登録型派遣」よりも「正社員型派遣」に多く存在します。
正社員型派遣では、研修センターで理系の学問知識のおさらい〜実務で即座に使える知識を実践形式で覚えることが多いです。
最初は見習い・補助レベルからでも、徐々にレベルアップしていくことを想定した派遣募集を紹介されることでしょう。
もちろん、こういった仕事の方がカンタンな作業レベルの仕事より時給がよく、契約終了後も次の仕事が見つかりやすいという特徴があります。
理系技術職の派遣募集にはどのようなルートで応募すべきか。
比較的カンタンな作業レベルの仕事が多い「登録型派遣」と、
勉強や努力が必要になるもののキャリア形成に繋がりやすい「正社員型派遣」の2種類があることをご説明しました。
これらはそれぞれ、どこから応募するのかが異なります。
登録型派遣の応募方法
登録型派遣は派遣会社のホームページから直接応募で問題ありません。
登録型派遣では例えば、リクルートスタッフィング、パーソルテクノロジーといった派遣会社が該当します。
正社員型派遣の応募方法
正社員型派遣に応募する場合には、まずは「派遣会社の正社員採用に合格」しなければなりません。
そもそも派遣会社の正社員として雇用されるわけですから、普通に書類選考・面接が存在します。
意欲や素養、これまでの経歴といったところから判断されますので、当然不合格となることもあります。
正社員型の派遣会社も何十社という数の会社が存在しますので、採用基準やハードルはそれぞれ違います。
ですが、履歴書を書いて応募し、面接を受ける以上、何か対策をして望みたいところです。
そのためには「転職エージェント」を利用した転職活動を行うことがオススメです。
”転職エージェント”を使った転職先の探し方
特に転職が初めて〜2回目までの場合、なるべく効率よく、失敗のない転職活動を進めるためにも「転職エージェント」の活用をお薦めします。
あなたのこれまでの職務経歴、技術職の経験があるなら携わっていた製品、どんなチーム体制の中でどんなポジションで仕事をしていたのか?などなど、
募集をかけている企業側としても
「これはマスト条件として経験していて欲しい」
「これは出来ればレベルでOK、もしくは不要」
と言う採用フィルターがいくつも設けられています。
この条件は求職者が見れる「求人票」にはほぼ掲載されていません。
面接になっても、面接官の口からはいちいち明らかにされないでしょう。
もう少し言うと、正直、
せっかく時間をかけて書いた履歴書を、見込みのない企業に送って落とされることほど、面倒で悔しいことはないです。
(新卒の就活を思い出してください。履歴書何枚書きましたか?)
「転職エージェント」はこう言う各企業の細かい求人情報を把握しており、
「見込みのある企業=自分とマッチしている企業」を候補として挙げてくれると言う役割をしています。
ぜひ合わせてご覧ください。