「株式会社トラスト・テック」はエンジニア派遣業界でもトップ10の売上高・社員数規模である、比較的知名度の高い企業です。
転職活動中の現職エンジニアの方だけでなく、就活中の学生さんからしても、
「トラスト・テックにはブラック企業のような悪い評判はないか?」と気になるところが大いにあるかと思います。
エンジニア派遣というビジネス形態が出来た当初のことを考えれば、業界全体でエンジニア社員の待遇は徐々に良くなってきてはいます。
が、いまだに労働者搾取と思われても仕方ないような、社員の将来性を顧みない扱いや、明らかに低い給与で使い捨てのように働かせている派遣会社も存在します。
今回当サイトでは、実際にトラスト・テックで働かれていた経験のある「元トラスト・テック社員」の方々の生の声を集めました。
トラスト・テックの評判は?実際のところ、入社しても大丈夫?
そんなことを、年収面や離職率、また実際の派遣先といった、複数のファクターからリサーチ検証していきたいと思います。
株式会社トラスト・テックとはどのような会社?
まず第一に、株式会社トラスト・テックの基本情報をおさらいしていきます。

- 設立:1997年8月
- 代表者:代表取締役社長 西田 穣
- 本社所在地: 東京都港区東新橋2-14-1 NBFコモディオ汐留3階
- 資本金:41億9,943万円(2018年6月30日現在)
- 社員数:連結:17,552名[単体:4,313名](2018年6月30日現在)
- 事業内容:技術者派遣、受託、委託、請負、有料職業紹介事業
- 上場証券取引所:東京証券取引所 市場第一部
トラスト・テックで目を引くのは、この業界では珍しく東証一部に上場しているという点でしょう。
業界全体で大中小さまざまな規模のエンジニア派遣会社がありますが、実のところ上場している企業というのはわずか10社程度に過ぎません。
上場するには、事業の継続性・収益性や、株主に対する事業開示の透明性という点をきちんと整える必要があるわけですが、
派遣事業という業界全体が景気の動きに敏感であり、顧客企業の人員ニーズという浮き沈みが顕著に出る要素が絡むビジネスであるため、上場、しかも東証に上場するというのは結構大変なことなんです。
やがて廃業になりそうな事業形態や、収益基盤のない企業では上場企業になることができません。

が、「上場が足かせになって、迅速かつ大きな事業決定が出せない。」という理由で上場廃止するという決断をしていました。
業績自体悪くなかったですし、これも経営判断として妥当だったと今でも思います。
また、トラストテック単体でエンジニア社員数4,300名強というのは業界5番手くらいの規模です。
その社員数のうち、トラストテックが得意とする技術分野は主にメカ・電気系であり、現状はモノづくり系の領域に重きを置いています。
2018年6月期の決算説明を見ますと、IT領域やソフト領域といったところは「これから将来的に注力」といったところです。(つまり現状はちょっと弱み?)
要するに何が言いたいかと言いますと、この社員数4,300人の大半がメカ・電気系だとすると、その領域の顧客に対しては手厚いサービスができている。
更に言うなら、自社エンジニア社員に対するキャリア面での理解や研修体制という面でも、メカ・電気系は充実していそうだと考えられます。
一方で、ソフト系やIT系といった分野のエンジニアは、おそらく社内でも重宝される存在にはなるでしょうけど、それをケアできる体制がどれほどあるのかには疑問符がつく、ということになります。
とはいえ、市場環境自体はソフトもITも猛烈に人員ニーズが伸びている最中なので、まだまだ競合他社のシェアに食い込んでいく余地はあります。
トラスト・テックの社風や会社方針に対する元社員の評判は?

トラスト・テックの会社方針については、企業サイト内に「大切にしていること」と題した項目があります。
1「世の中のために」エンジニアと共に成長し、日本のものづくりに貢献する。
2「エンジニアのために」エンジニアに支持される会社No1を目指す
3「お客様のために」必要なフィールドへ、必要な技術力・人間力を提供する。
さすが上場企業と言うべきか、満遍なく社会に貢献する姿勢を打ち出しているなあと感じます。
ですが、これだけだと一般的な内容すぎて実情がよく分かりません。
この方針に対して、元社員の評判はどうか?
元トラスト・テック社員の方に対し行った「トラスト・テックの社風・方針に対する満足感」についてのWEBアンケートでは、以下のような評判の声を頂いています。
その反面、小回りが効かなくなったというべきか、前ほど新しい方針に敏感に反応することはなくなったと思います。
しかしながら、聞いていたほど社内の繋がりはなく、基本出たら出っ放しという感じであり、先輩からも派遣先によって良い悪いが決まると言われている。
様々な評判を読み解いていくと分かってきたトラストテックの特徴というのは、以下の2点です。
- 大手メーカー企業への派遣実績が多く、働きやすさを感じる。(派遣先に依存する、派遣先次第とも言える。)
- 派遣先に派遣された後は、あまり繋がりはなく、自社からの働きかけは少なめ。
ザ・技術者派遣という感じですが、営業方針としては大手メーカー企業に注力しているという点では、有益なキャリアを積みやすく、働きやすい環境に身を置ける可能性は高いと思います。
トラスト・テックの年収面に対する元社員の評判は?
トラスト・テックのモデル年収データは中途採用ページに記載がありました。

このモデル年収を同業で比べてみると、26歳での年収は程々に良いと思います。
39歳で600万というのは、役職に就いているかどうかによっても見え方が異なります。
また、このような年収例ではトップクラスの年収を載せることが多いので、40代半ばで800万円というのは相当にデキる人の場合だ、と捉えることが無難です。
トラスト・テックの年収に対して、元社員の評判はどうか?
元社員に対し行った「トラスト・テックの年収に対する満足度」についてのWEBアンケートでは、以下のような評判の声を頂いています。
辺鄙な土地にある派遣先であっても通勤費は満額支払われていたので、誠実だなと感じている。ただ、昇給額は年間数千円程度なのでちょっと不満がある。
上場企業になったのが最近なので、これから福利厚生面で変化が起きることを期待しています。
トラスト・テックは年収そのものより家賃補助が魅力で、社員からの評判も良い模様。
トラスト・テックの年収に関する評判を読み解くと、以下の2点が分かってきました。
- 残業代や賞与はきちんと支払われており、業界では平均的な給与額にはなる。
- 家賃補助が手厚く、社員寮の会社負担は5年目まで6割補助。5年目〜10年目までは5割負担で補助が出る。
同棲や結婚を考え出す時期までは社員寮(借上寮)でよし!と捉えれば、半額負担は大きいですよね。貯金に精が出そうです。
モデル年収では20代半ばでも400万円代後半、30代半ばでは600万円と記載がありますので偏ってしまった結果だと思うのですが、モデル自体ごく少数の方のデータだったとしたら少々悲しいところです。
トラスト・テックの離職率はどのくらい?元社員の退職理由は?
トラスト・テックの離職率については、同社の募集要項を始め、公表されている決算報告書や中期計画にも記載がありません。
採用自体は相当なペースで採用しているようで、例えば2018年4月入社の新入社員は900人と、同業他社と比較してもかなりのボリュームです。
離職率をあてにしてもよく分からないところですので、実際にトラスト・テックを退職した理由に関する評判を読み解いていきましょう。
トラスト・テックを退職した理由は?アンケートでの評判を調査。
かと言ってキャリアプランを重視した派遣先を考えてもらえるかというと、自分から働きかけなければ考慮がないため、いっそメーカーに転職しようと思い退職した。
トラスト・テックは転職すべきか?評判は?
ブラックと言うほど悪い条件ではなく、地道にコツコツという観点なら転職するのはアリだなというのが、元派遣エンジニアである私の結論です。
特に、ここ数年で上場したという点で、おそらくドンドン待遇面が向上し、より社員満足度の高い会社になっていくだろうという見方が出来ます。
何故なら、株主に業績向上を期待してもらうためには、エンジニア社員が退職しないようキチンと満足度を上げる施策を打っていかなければならないからです。
メーカー始め、エンジニアの中途募集は今の時代、ワンサカあります。簡単に退職されてしまいます。
評判から読み解く、トラスト・テックに向いている人・向いていない人
トラスト・テックに向いている人というのは、以下の3点に共感できる人です。
- 上場企業と言う立場に、安心感や安定感、将来性を見出すことができる人。
- それほど高い給与でないにせよ、誠実な待遇を期待する人。
- モノづくり業界で技術者として働きたい人。
一方で向いていないと感じるのは以下のような方です。
- 程々の給与では我慢できない人。
- 自社(派遣元)の一員として顧客に貢献している実感を持ちたい人。
- 単なる一技術者というポジションに甘んじたくない人。
「トラスト・テックを紹介されたけど、どんな会社か不安だ」という気持ちで当サイトを見たのであれば、ちょっと落ち着いて考えた方がいいかもしれません。
2018年現在、日本は未曾有の「エンジニア不足」な世の中です。
あなたがどんな経歴・経験をお持ちでトラスト・テックを紹介されたのかは分かりませんが、
基本的に「エンジニア派遣会社」というのはメーカーより圧倒的に入社が容易な会社です。
つまり、エージェント担当者があなたの経歴・スキルをよく理解していないまま、
「とりあえず面接まではいけるだろう」と紹介されている可能性があるということです。
特に、技術的な観点での、経歴・スキルについて、よく分かっていないかも知れません。
誰しも転職するにあたっては
「できればエンジニア派遣じゃなくてメーカーがいいんだけど」
「未経験からエンジニアになりたいとは思ってるけどブラックは避けたい」
と、本音では思っているものです。
でも自分に確固たる自信がないから、高望みできるのかどうか分からない。。
もしそうなら、そのことをちゃんと転職エージェントの担当アドバイザーに伝えて紹介し直してもらうか、いっそ担当者を変えてもらった方がいいです。
また、現在利用しているのが「リクルートエージェント(リクナビ)」「doda」といった有名な大手転職エージェントなのであれば、
エンジニア専門の転職エージェントを利用してみるのも一つの手段だと思います。
例えば「メイテックネクスト」や「ワークポート」がそれに該当します。
これら専門の転職エージェントのアドバイザーは、技術に関する知識が段違いに豊富です。そもそもエンジニア出身者が集まっていますから。
結果として、紹介される転職応募先が随分違ってくることが頻繁にあります。

ぜひあなたが、後悔のない転職ができるよう願っています!